介護支援や人材管理などのAI(人工知能)サービスを手掛けるエクサウィザーズ。150人ほどの社員のうち、エンジニアに限ると約4分1が外国籍だ。

 2018年に入社した技術開発部3グループ チーフAIエンジニアのアブドゥル・ラーマン氏はアラブ首長国連邦(UAE)出身。2004年に交換留学で来日して以降、日本での研究歴が長い。ラーマン氏は「エクサウィザーズには日本の組織特有の息苦しさを感じない。互いを個人としてリスペクトし助け合う社風がある」と語る。

UAE出身で技術開発部3グループ チーフAIエンジニアのアブドゥル・ラーマン氏
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 ラーマン氏は2014年にニューラルネットワークの研究で福井大学の博士号を取得。母国UAEの研究職を経て2016年に再来日し、東京大学の松尾豊研究室でコンピュータービジョン(画像認識)に関する研究員になった。そこで目の当たりにしたのは、ニューラルネットワークが学術機関の世界から産業応用へと一気に進んでいる様だった。

 そんなラーマン氏がエクサウィザーズに入社したのは2018年のことだ。「スタートアップ企業としてのマインドや文化、自社プロダクトの開発を目指している点に加え、ときには東京、ときには京都とフレキシブルな働き方ができる点が気に入った」(同氏)。

 入社後、サーバーではなく端末で画像データを処理するエッジデバイスの開発に参加。顔認識システムやナンバープレート認証システムなどのPoC(概念実証)を手掛けている。

 「コンピュータービジョンの分野における深層学習はまさに革命で、潜在市場は大きい。スマートカメラがそこかしこに設置され、ルーチン的な仕事が不要になり、誰もがクリエーティブな仕事をできるようにしたい」とアブドゥル氏は語る。

当初から外国人エンジニアを積極採用

 エクサウィザーズの採用責任者である半田頼敬氏は「会社を立ち上げた頃から外国人エンジニアを採用し、意図的に制度を作ってきたことが外国人エンジニアにとって心地よい社風を作ったのだろう」と語る。

 同社は外国人エンジニアに対して日本語の能力を求めない。採用面接は全て英語で完結させる。採用時だけでなく重要な会議には同時通訳を入れる。

 「優秀な人材を集めようとすれば、必然的に外国人エンジニアの比率が高まる」と半田氏は語る。「特にフルスタックのAIエンジニアと呼べる人材が日本で圧倒的に不足している。機械学習のモデル設計やアルゴリズムの精度向上に詳しい人材はいるが、サービスの実装まででき、スピード感を持ってプロジェクトを進められる人材は多くない」(半田氏)。国内外問わずこうした人材を求めた結果、エンジニアに占める外国人の比率は4分の1ほどになった。

 エクサウィザーズを率いる石山洸社長はかつてリクルートホールディングスでAI研究所「Recruit Institute of Technology」を立ち上げ、初代所長に就任。海外の一流大学の教授をアドバイザリーに迎え入れつつ、国内の優れたAIエンジニアを集めた。こうした石山社長の経験が、エクサウィザーズの人材戦略にも生きているようだ。

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