2019年10月1日施行の改正電気通信事業法により、スマホの値引きは最大2万円までとなった。こうした中、携帯大手3社は新しい端末購入プログラムを提供している。NTTドコモの「スマホおかえしプログラム」、KDDI(au)の「アップグレードプログラムDX」、ソフトバンクの「トクするサポート」だ。

 これらの端末購入プログラムは、ユーザーによっては確かに金銭面で手助けになる。しかし、その一方でスマホを快適に使えなかったり、通常の購入より損してしまったりするケースもある。今回はそんな端末購入プログラムの落とし穴について見ていこう。

落とし穴1:他社回線でつながらないことも

 KDDIのアップグレードプログラムDXやソフトバンクのトクするサポートは、他社回線の契約者でも利用できるのが大きな特徴だ。しかし、他社回線と組み合わせた利用には注意点が多い。

 まずスマホがサポートする周波数だ。音声通話やデータ通信に用いる周波数帯は携帯各社で異なる。現在は主に4G(LTE)でエリアを構成しているので、4Gで使う周波数の対応状況をスマホの購入前に念入りにチェックしておきたい。

 携帯大手3社が利用しているLTEの周波数を以下にまとめた。LTEでは周波数帯を「Band+数字」で表し、表中の○は対応、空欄は非対応を意味する。新たに購入するスマホが、自分が契約している事業者の周波数帯にどれだけ対応しているかを必ず確認しよう。全く対応していなければ「つながらない」、対応が少なければ「つながりにくい」「通信速度が遅い」といった症状が出ることになる。

携帯大手3社の4G(LTE)の対応周波数帯
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 もっとも、iPhoneの最新機種を購入するのであれば心配しなくてよい。現在販売されている日本向けのiPhoneは、携帯大手3社で共通仕様となっているからだ。SIMロックを解除すれば、どの事業者の回線でも組み合わせて使える。

 これに対してAndroidスマホは対応状況がまちまち。韓国サムスン電子(Samsung Electronics)の「Galaxy」やソニーモバイルコミュニケーションズの「Xperia」のように複数の携帯大手が取り扱っている端末でも、販売事業者によって対応周波数が異なることがある。実際、携帯大手3社が販売する「Xperia 1」がそうだ。

ソニーモバイルコミュニケーションズの「Xperia 1」は販売事業者ごとにサポートするバンドが異なる
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 携帯大手3社はSIMロック解除に対応する機種と、それぞれの対応周波数の一覧をホームページで公開している。回線契約の無い事業者の端末購入プログラムを利用する場合は、購入予定機種の対応状況をきちんと確認しておこう。

携帯大手3社はSIMロック解除対象機種の対応周波数一覧を公開している。画面はNTTドコモの例
(出所:NTTドコモ)
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 この他、事業者固有の注意点もある。例えばKDDIは他の事業者とVoLTEの方式が異なるなどの理由により、NTTドコモやソフトバンクで購入したSIMロック解除端末と組み合わせて使う際にSIMカードの変更が必要になるケースがある。これには手数料2000円(税別)がかかる。iPhoneではインターネット接続サービス「LTE NET」への加入、Android端末ではLTE NETへの加入とAPNの設定も必要になることがある。

KDDIの「iPhone 8以降のiPhoneで利用可能なSIMカード」についての情報提供ページ
(出所:KDDI)
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 ソフトバンクでも他社で購入したSIMロック解除端末を用いてパケット通信を利用する際には「アクセスインターネットプラス」という接続先の設定が必要となる場合がある。このように細かな注意点が多くあるため、スマホの購入前によく確認したい。特にKDDIのスマホについては、同社回線と組み合わせて使うのが望ましいと認識しておいたほうがよいだろう。

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