RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とOCR(光学的文字認識)を組み合わせて紙文書とパソコンを扱う作業をどう効率化していくか。先進企業への取材から、確実に成果を得るワザは7つあると分かった。今回は「設定や修正のしやすさを重視」「必要な読み取り精度を見極める」の2つのワザを紹介する。

本特集で紹介するOCRとRPAを生かす7つのワザ。今回は「ワザ3 設定や修正のしやすさを重視」「ワザ4 必要な読み取り精度を見極める」を取り上げる
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ワザ3 設定や修正のしやすさを重視

 第3のワザは「設定や修正のしやすさも見極める」だ。「実務を想定して試す」と並び、OCRのソフトやサービスといった製品を選定する際に役立つ。

 OCR製品の良しあしを、読み取り精度の高さだけで決めるのは危険だ。読み取り精度にこだわりすぎると製品選択に失敗してしまう。OCRを業務の現場で利用する際、紙文書の内容を精度よく読み取れるように製品の設定を見直したり、読み取り結果を確認したりする手間が思いのほかかかる。こうした手間をできるだけ抑えられる機能を備えているかどうかも、OCR製品の選定では重要だ。

業務担当者でも設定できるかどうか

 設定のしやすさを選定ポイントの1つに挙げて、OCR製品を選んだ企業の1社がLIXILだ。同社は2018年春から、業務担当者が自らRPAのソフトウエアロボット(ソフトロボ)を開発してきた。RPAの導入が進むうちに、「紙文書の内容を見てシステムに登録するパソコン作業を自動化したい」というニーズが出てきたことから「業務担当者に使いやすいOCRを選ぶことにした」(IT部門システムインフラ部IT次世代化推進グループの高橋裕司氏)。

 高橋氏がいくつかのOCR製品を確認したところ、「紙文書のどの部分を読み取るのかといった設定のやり方が複雑で、業務担当者には使いこなせない製品もあった」と振り返る。同社はAI insideが提供するAI(人工知能)を組み込んだOCRサービス「DX Suite」を採用した。その理由について高橋氏は「紙文書の画像が表示される設定画面上で、マウス操作によって読み取りたい場所を指定するなど設定しやすかった」と説明する。

AI OCRサービス「DX Suite」が備える設定画面。紙文書で読み取る部分をマウス操作で指定していく
(出所:AI inside)
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 このほか、高橋氏はOCR製品の選定において、読み取り対象の文書データの形式にもこだわった。「画像データでしか読み取れない場合、スキャンしたい書類が複数ページにわたると1ページずつ画像データを作成しておく手間がかかる。PDF形式だと複数ページにわたる紙文書を電子化できるので読み取るまでの手間が省ける」と話す。

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