いかに短時間の充電で長距離を走行できるか──。普及率が伸び悩む電気自動車(EV)が直面する命題に対し、道路を走るだけで電力を蓄えられる「走行中給電」は1つの答えになるかもしれない。

 EVに電力を非接触で供給する走行中給電は、路面に埋め込んだ送電コイルに電流を流して磁界の振動を生み出し、車側の受電コイルに伝えて充電する。

オランダの建設会社とデザイナーのダーン・ルースガーデ氏が作成した走行中に給電できる道路のイメージ(資料:Daan Roosegaarde、Heijmans Infrastructure)
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 現行のEVは、充電スタンドからケーブルを介して車載の蓄電池に給電する方式が主流だ。充電ゼロの状態から充電が完了するまでに30分以上かかるうえ、1度の充電で走行できる距離は約200km程度と、ガソリン車には遠く及ばない。

 さらに、大型車のEV化を見据えれば、蓄電池の大型化が必須になる。大型の蓄電池を実用的な時間で給電するには大量の電力を一気に送らねばならず、安全性や電力確保といった課題が残る。

 これに対し、走行中給電ならば車が道路から電力をもらいながら走るので、余計なエネルギーを電池に蓄えて持ち運ぶ必要はない。電車が架線からエネルギーを受け取って走り続けるのと同じ仕組みと考えると分かりやすい。

走行中給電が可能な受電コイルを搭載したEVの開発も進む(写真:東京大学)
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 加えて、高速道路や市街地の主要な交差点などに給電設備を敷設しておけば、充電待ちの時間やエネルギー切れの不安からドライバーを解放できる。走行中給電の研究を手掛ける東京大学大学院新領域創成科学研究科の堀洋一教授は、「給電を意識せずに行えるようにすれば、EV所有の大きなインセンティブになり得る」と期待をかける。

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