経済産業省は2019年10月11日、「キャッシュレス・ポイント還元事業(正式名称はキャッシュレス・消費者還元事業)」を巡る混乱について、是正策の進捗状況を公表した。同事業は消費増税による景気冷え込みを緩和するなどの目的で、中小店舗でキャッシュレス決済で買い物すると得られるポイント還元を国が支援する事業である。

経済産業省の発表資料
(出所:経済産業省)
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 同事業の事務局を務めるキャッシュレス推進協議会は公式サイトや公式アプリで、事業の対象店(加盟店)の還元率や住所、電話番号、使える決済手段、区分(固定店舗/移動販売/ネット通販)などを公開している。同協議会は増税スタートと前後して、店舗情報について約2万件の入力ミスを確認していた。同日までに、決済事業者や加盟店からの申告を基にミスの約9割を修正し、公開情報に反映したとしている。残りの約1割についても2019年10月18日までに修正するという。

 「店舗情報をシステムに正確に入力する責任はあくまで決済事業者が負うルールである。決済事業者が入力する段階で誤りが多発した」。同協議会の担当者は日経 xTECHの取材に対して、こう説明した。

 同協議会によれば、クレジットカードや電子マネー、QRコード決済などを扱う決済事業者が店舗情報を協議会のシステムに入力する際、2つの方法があるという。「多数の店舗情報をまとめてファイルで伝送する方法」と「個別に店舗情報を入力する方法」である。

 前者の場合、決済事業を長年営む大手カード会社などが店舗情報を最新の状態に更新しないままファイルを作成したために、以前の住所や電話番号などが入力・公開されたケースがあるという。後者の場合、単なる入力ミスだけでなく、決済事業者の担当者が店舗の実情をよく把握しないまま誤った店舗情報を入力することがあった。決済事業者は中小店舗に直に接する新規加盟店の開拓業務を外部委託するケースが多く、情報伝達ミスが起こりやすかったと同協議会はみている。

 約2万件の入力ミスには還元率を誤ったケースも含まれる。還元率は通常の中小店舗は5%、フランチャイズチェーン傘下の中小店舗は2%である。

 還元分の原資は国が決済事業者を通じて補助する。ただ2%を5%と誤って入力した場合、「国は2%しか補助しないルール」(同協議会の担当者)である。修正までの間にチェーン傘下の加盟店が誤って消費者に5%還元していた場合、国からの補助で足りない分は原則として決済事業者が負担するという。

 入力ミスとは別に、加盟店の登録審査事務が追い付かいていないという問題も起こっている。これについて、経産省は2019年10月11日時点の加盟店約52万店を、10日後の10月21日には約61万店まで増やすとした。10月21日以降も登録手続きの迅速化に努めるとしている。