「持ち帰りの8%か店内飲食の10%か」ではなく、それぞれを合算したまさかの消費税「18%」──。

 消費増税がスタートした2019年10月1日、ある飲食店が消費税率を18%で計算して客に過大徴収したトラブルが起こった。実際に一部の客が過剰に支払った。直接的な原因は店員のPOSレジの操作ミスだった。

 ただトラブルの背景には、消費増税対応のために自力でPOSレジを設定し直さなければならない中小事業者や個人事業主ならではの課題がある。18%は対岸の火事ではなく、他の飲食店や食料品店などでも生じる恐れがある。

使いやすさが売り、タブレットPOSを導入

 消費税率を18%で計算して過大徴収したのは、都内などにチェーン展開するある飲食店だ。店内飲食した客も持ち帰りした客も過大徴収された可能性があるという。ある客が10月1日に「18%」のレシートをネット上にアップし、話題を呼んでいた。

日経 xTECHで再現した、消費税18%の過大徴収が起こった飲食店でのレシート
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 日経 xTECHはこの飲食店を独自取材した。全店舗のオペレーションに携わるある店舗のマネジャーによると、10月1日のうちに一部の客から過大徴収した事実に気が付いたという。すぐにPOSレジを使う店舗スタッフらに注意を促し、各店にもメールで注意喚起した。その結果「10月2日からは過大徴収は発生していない」という。

 過大徴収した客には、レシートがなくても返金に応じているという。購入した商品や利用時間帯などを申し出てもらい、POSレジの記録を参照して返金対応している。

 この飲食店の店員は、持ち帰りの「8%」と店内飲食の「10%」の2つを合算するという、通常のレジ操作では考えにくいミスをした。全店で導入していたのは決済サービス大手の米スクエア(Square)が提供するタブレットPOS「Square POSレジ」である。全ての機能を無料で使えるうえに、ITなどの専門スキルを持たない個人事業主も使いやすい点を売り物にしていた。なぜミスは起こったのだろうか。

 スクエアのSquare POSレジは2013年にサービスを開始し、世界中でほぼ同一の機能を提供している。完全無料のタブレットPOSで市場を切り開いた先駆的存在だ。

 各国の税制度や商習慣をカバーする多機能ながら、スクエアはWebサイトで「設定や操作が簡単で、直感的に使える」とするなど、使いやすさに自信を見せている。世界で200万以上の事業者が使っているという。日本のユーザー数は非公表だ。

タブレットPOSを紹介するスクエアのWebサイト。直感的に使える点を訴求している
(出所:米スクエア)
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