2019年10月1日、3度目となる消費増税が実施された。同時に消費の冷え込みを防ぐ目的などで、「軽減税率制度」と「キャッシュレス・ポイント還元事業(正式名称はキャッシュレス・消費者還元事業)」も同時にスタートした。日経 xTECHの調べによると、消費増税に関するITトラブルに見舞われた店舗や団体は合計で19に上った。

2019年10月1日に発生した消費増税に関する主なシステム障害
店舗/団体名内容
ミニストップPOSレジの不具合で一律に税率8%の内税のまま支払額を計算。8%と印字すべき持ち帰り食品の税率を10%とする誤記も発生
ドトールコーヒーPOSレジが不具合で停止。消費増税対応のシステム切り替えの不具合の可能性
大阪メトロ自動券売機が一時使用不能に
名古屋鉄道自動券売機が一時使用不能に
京成電鉄係員が運賃精算などに使う「窓口処理機」で運賃の税率が一時8%のままに
神奈川中央交通など9社増税前の9月に増税後の運賃を誤って徴収
ヤオヒコ軽減税率導入のシステム改修に伴う不具合で全店の開店を見合わせ
スシロー一部店舗のレジで消費税率を0%として会計
島村楽器開店後、一部店舗でレジが消費増税に対応できない不具合が発生
Eストアー顧客に提供するECサイトの消費増税対応作業が当初予定より3時間遅れに

 トラブルが続発したのは、政府方針がはっきりしないなか各社が十分に対応できたとは言えない状態でこの日を迎えたからだ。菅義偉官房長官は同日午前の会見において、消費増税IT対応のトラブル状況を問われ、次のように発言した。

 「消費税引き上げに伴う事業者などの状況については、財務省、経済産業省、関係省庁において情報収集を行い、現時点においては大きなトラブルがあったということは報告を受けていません。引き続き新たな制度の広報に努め、土日も含めてコールセンターでの相談を行うなど丁寧に対応していきたいと思います」――。

ミニストップは全2000店に障害が及んだ可能性

 実際はこの時点でミニストップが数百店規模でシステム障害を起こしていた。10月1日に日付が変わった直後から3時間ほど、増税後にもかかわらず全ての商品を支払額を一律に税率8%の内税(税込み価格)で計算して販売した。

 持ち帰りの飲食料品は軽減税率により「税率8%」となるため、結果的に支払額は正しかったが、レシートには「税率10%」と誤記した。一方、軽減税率の対象外となる商品は税率10%で計算しなければいけないところを8%で計算したため、2%分を少なく請求した。

午前0時台の誤記されているレシート(左)と午前9時台の正常に印字されているレシート。誤記レシートは食品に軽減税率対象を示す「軽」マークもない
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 増税に合わせて税率計算方法を内税から外税に変更したが、この切り替えもできていなかった。そのため商品が値引きされている場合、1円以上過大に請求したケースもあったという。

 ミニストップは同日に「おわびとお知らせ」をWebサイトに公開し、「大変ご迷惑をお掛けしましたことを深くおわび申し上げます」と陳謝した。一方で一連のシステム障害の原因は「調査中」(広報)としている。

奈良県のスーパーは開店見送り

 朝を迎え、社会が動き出すとシステム障害が続発した。コーヒーチェーンの「ドトールコーヒー」では一部店舗のPOS(販売時点情報管理)レジで午前からシステムトラブルが発生した。

 何らかの理由でシステムエラーになる現象が起こり、レジの停止が相次いだ。ある店舗の店員は「今日の早い時間帯にdポイントで決済するとレジがハングアップする障害が発生した」と証言した。

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