いよいよ2019年10月1日に消費税が増税される。

 消費者にじかに接する流通・サービス業を含む全てのシステム関係者は、今回の消費増税が、2014年4月1日に消費税が5%から8%に上がった前回の増税とは様相が異なると頭に入れておく必要がある。前回は端的に言えばシステム上の税率を変更し、それに沿って価格を変更するだけで済んだ。

 とはいえ一律の増税であっても一定のシステム対応は不可欠だった。増税を機に1円刻みの運賃体系導入に踏み切ったJR東日本はシステム改修や案内掲示板の切り替え、広報などに約50億円を費やした。

 そんななか、スーパーのいなげやでシステム障害が発生し、通常通り営業できない事態に陥った。今回の増税は前回に増して対応すべき事項が多く、その分トラブル発生のリスクも高まる。

 大きなリスク要因は増税と同時に始まる「軽減税率制度」と「キャッシュレス・ポイント還元(キャッシュレス・消費者還元事業)」の2つだ。今回は「軽減税率制度」を詳しく見ていく。

「飲み物と食品なら8%」とは限らない

 軽減税率制度は一般に「『飲食料品』と『新聞』が軽減税率対象で税率8%、それ以外の商品は税率10%」と解説される。実際にはもっと複雑で、システム対応すべき事項も増える。

 国税庁が出した軽減税率に関するパンフレットを読み込むと、軽減税率の対象と対象外の色分けがまだら模様になっている。つまり飲食料品が全て軽減税率対象になるわけではないのだ。

国税庁が作成した軽減税率制度に関するパンフレット
(出所:国税庁)
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 飲食料品のうち、一定の条件に当てはまる酒類と「一体資産」は軽減税率の対象外になる。酒類とは「アルコール分1度以上の飲料」を指す。

 酒類売り場に置いてある飲料でも、ノンアルコールビールや甘酒などアルコール分が1度を下回っている場合は軽減税率の対象なのでややこしい。逆に調味料売り場にあるみりんや料理酒などはアルコール分が1度以上のものなら軽減税率の対象外だ。

 「一体資産」とは、「おもちゃ付き菓子(食玩)」や「紅茶付きティーカップ」など飲食料品と「飲食料品ではない何か」をセット販売するケースだ。これについては「税抜き価格が1万円以下で、かつ、全体のうち飲食料品の割合が3分の2以上」という条件を満たすと、軽減税率の対象になる。

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