鉄骨ラーメン構造とCLT耐震壁を組み合わせた5階建てオフィスビル。耐火建築物のプロトタイプとして建てられた。この組み合わせは汎用性が高く、すでに次の6階建てが着工。技術的には14階建てまで建設が可能だ(最終ページにフォトフラッシュ)。

 兵庫県林業会館は、神戸市中央区の中小ビルが密集した一角に立つ。1972年に建てられた鉄筋コンクリート(RC)造の旧会館を建て替えた。2019年1月に完成した新しい林業会館は地上5階建て。ガラスのカーテンウオールを透かして、木質の壁が市松に並ぶ外観が特徴だ。耐震壁として用いたCLTパネルを現しで使ったものだ〔写真1、2〕。

〔写真1〕現しのCLT耐震壁を見せる
北東向きの角地に立つ。執務空間が入る2階から5階はガラスのカーテンウオール。ガラスの内側に、現しのCLT耐震壁を市松状に配置している(写真:生田 将人)
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〔写真2〕都市型オフィスビル
大小のビルが立て込む市街地に立つ都市型のオフィスビル。現しに使ったCLT耐震壁は厚さ210mm。厚さ30mmのひき板を7枚積層させたもの。内側の5層はスギ、現しとする内外の両面はヒノキを張った(写真:生田 将人)
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 「普及が期待されるCLTの価値を広く伝えられるような意匠性と汎用性を兼ね備えた設計を提案した」。設計を手掛けた竹中工務店大阪本店設計部設計第5部門設計1グループの森稔氏はそう説明する。

 敷地は防火地域にある。2時間耐火構造が求められる1階はRC造とした。1時間耐火構造の2階から5階までは、鉄骨(S)造とCLTパネルのハイブリッド構造だ。鉄骨ラーメン構造の柱・梁(はり)が形づくる四角形の中に、耐震壁としてCLTパネルをはめ込んだ〔図1〕。パネルの厚さは210mm。水平力だけを負担する耐震壁とし、現しで使えるようにした。

〔図1〕鉄骨ラーメンにCLT耐震壁をはめ込む
鉄骨ラーメンのフレームにCLT耐震壁を入れる構成。鉄骨フレームだけで長期荷重を支持し、CLTは水平力のみの負担とした。外観に現れるCLTパネルは市松配置だが、建物の背後には上下に並べた箇所もある
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基準階(2~5階)平面図
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断面図
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