幅2mのCLT(直交集成板)パネルを並べて接合し、1枚の大きな板として屋根面を構成。2方向の水平力を負担するCLTと、ロの字プランの特性を生かして折板(せつばん)構造を成立させた。「梁(はり)・桁(けた)なし」の屋根架構が広々とした空間を生む(最終ページにフォトフラッシュ)。

 香南市総合子育て支援センター「にこなん」は、ロの字の平面形に、CLTで切妻形の屋根を架けている〔写真1、2〕。CLTのパネルは5層、厚さ150mmを使用。幅2m、長さは最大6mに加工して屋根面に並べ、一体に接合することで折板構造が成立し、中庭側はロの字に閉じてスラスト(斜め下方への横圧力)を抑制する。周囲の壁は在来軸組み工法で、CLTのパネル幅に合わせて柱が立つ。

〔写真1〕内部はCLTの架構を現しで
南側の棟部分にライン照明を入れた他は鴨居を利用した間接照明。空調も輻射式床冷暖房で、天井面はすっきり。北側は棟芯に合わせて諸室上部に鏡を張り、折板構造の天井が連続して見えるようにしている。CLTパネルは高知県産のスギ材を原料に、岡山県真庭市の銘建工業で製造・加工(写真:艸建築工房)
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〔写真2〕ロの字形の切妻屋根で折板構造
屋根の外周は23m四方、頂部は12m四方。切妻屋根は中庭側がロの字の形に閉じた構造になり、スラストが抑制される。左奥に見える方形屋根は併設の病後児保育施設(写真:艸建築工房)
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 この建物ではCLTが桁・登り梁・屋根下地・天井仕上げを兼ねている。梁・桁は耐力壁部分にしかない。2018年の法改正によって、CLTの2方向性を生かした構造計画が5層でも可能になった。この建物はそれを前提に設計を進め、「梁・桁なし」の架構を実現。設計を手掛けた艸(そう)建築工房(高知市)の横畠康代表は、「CLTを使うからこそ実現できる建物にしたかった」と話す。

 5層のCLTパネルを使ったのは、内装制限がある児童福祉施設で、木材の現し空間にするためだ。延べ面積は500m2に満たないが、準耐火建築物とし、燃えしろ設計を行った。

断面図
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