ソフトバンク傘下のヤフーがファッションEC(電子商取引)サイトのZOZO買収を正式に発表した。ZOZOのように特定分野に強く、ブランド力もあるオーナー企業を傘下に収めて事業を拡大する手法は、ヤフーが得意とするところだ。創業者キラー、ヤフーの「爆食」は今後も続く可能性がある。

「信頼して後を託せる」ヤフー

 ヤフーが2016年に約1000億円を投じてホテル予約の一休を買収した時もそうだった。ワンマンで有名だった創業者の森正文社長を口説き落とし、一休の買収を成功させたのだ。

 買収に伴って森氏は引退したが、後任の社長として一休の副社長だった榊淳氏が昇格した。ヤフーから社長を送り込んで強引に統治することはせず、一休の役員や社員の立場と企業文化を尊重した。一休のブランドやサイトも維持したこともあり、森氏は2015年12月の買収発表会見で「信頼して後を託せると考えた」とヤフーの姿勢を評価した。

 今回の買収もZOZOへの「配慮」がにじむ。創業者で社長の前沢友作氏は2019年9月12日付で退任したが、後任はヤフーから送り込まず、ZOZO取締役だった沢田宏太郎氏を内部昇格させた。沢田氏はNTTデータ出身で、ファッションECサイト「ZOZOTOWN」の事業責任者などを務めた。

 前沢氏は2019年9月12日の記者会見で「(ヤフーとZOZOは)お互いの弱点を補い合い、お互いの強みを伸ばせる。まるで結婚のような関係だ」と述べ、自身が育ててきた会社を託す相手としてヤフーを信頼している様子を見せた。

 象徴的だったのが、前沢氏がサプライズゲストとしてソフトバンクグループの孫正義会長兼社長を招き入れたシーンだった。孫氏は前沢氏の社長退任という決断について「生き様がかっこいい」と評価した。

記者会見で肩を組むソフトバンクグループの孫正義会長兼社長(左)とZOZOの前沢友作前社長
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 「友人としての前沢くん」から相談を受けた際、「(ヤフーとZOZOという)文化の違う会社が一緒にやるのに、当分前沢くんが社長をやったほうがいい」と孫氏は一度は慰留したという。だが、最終的には前沢氏の決断を受け入れた。壇上では前沢氏に「ご苦労さまでした」と声をかけた。

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