ソフトバンク傘下のヤフーがファッションEC(電子商取引)サイトを運営するZOZOを買収するのは、EC日本一になる目標を達成するためだ。アスクルへの関与を強めようとするのも、同様の狙いがあるとみられる。アマゾンジャパンや楽天といったEC大手が国内で攻勢をかけるなか、日本一への執念と危機感がヤフーの背中を押した。

 ヤフーは2019年10月上旬にZOZOにTOB(株式公開買い付け)をかけ、同社を連結子会社にする計画だ。買い付け価格は1株当たり2620円で、2019年9月11日のZOZO株式の終値2166円に20.96%のプレミアムを上乗せした。過半数の株式の取得を目指しており、買収総額は4000億円を超える可能性がある。

 ZOZO社長で筆頭株主でもある前沢友作氏は2019年9月12日付で退任した。後任にはZOZO取締役だった沢田宏太郎氏が就いた。沢田氏はNTTデータやコンサルティング会社2社を経て、2008年にECサイトの構築を支援するスタートトゥデイコンサルティングを設立していた。

EC事業、危機感の表れか

 ヤフーがZOZO買収に動いたのは、EC事業に対する危機感の表れといえる。楽天が携帯電話事業に参入するなどライバルがECを中核にした経済圏の拡大に動くなか、日本一の座につくべくヤフーも抜本的な施策を求められていた。

 ZOZO側の事情もある。同社(当時の社名はスタートトゥデイ)は2004年、ファッションECの「ZOZOTOWN」を立ち上げた。「ユナイテッドアローズ」や「ビームス」といった人気ブランドをインターネットで手軽に買えるようにして、若者から支持を集めた。

 2016年に代金の支払いを先延ばしできる「ツケ払い」、2017年に顧客が送料を自由に決められる「送料自由」の取り組みを始めるなど、斬新なアイデアと話題作りのうまさで急成長を遂げてきた。ZOZOTOWNのサイトで購入された額を示す「年間取扱高」は2019年3月期に3231億円となり、国内のファッションECで断トツの規模を誇る。

この先は有料会員の登録が必要です。今なら有料会員(月額プラン)が12月末まで無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら