SEにとって重要な思考力を効果的に伸ばす方法がある。本特集では日経ITプロフェッショナルの過去記事を再編集した。「悩む」と「考える」の違い、考えることの本質を理解し、ロジックツリーやブレーンストーミングなどの「思考法」をマスターしよう。

 ある情報を基にして幅広い事柄を連想し、複雑に絡み合った情報を明快な切り口で整理する。そのためにこれまで様々な思考法が開発、提唱されてきた。それらの種類や使い方を知っておくと、SEの仕事に必ず役立つこと請け合いだ。

 思考法の主なジャンルとして発想法と構造化手法がある。今回はこのうち発想法を取り上げる。具体的には「ブレーンストーミング」「KJ法」「マンダラート」「SCAMPER」の4つだ。

 いずれも基本的な手法である。まずはこれらをマスターした上で、複数の手法を組み合わせたり、自分でアレンジしたりして独自の方法を確立してほしい。

数人でアイデアを出し合う「ブレーンストーミング」

 1人で考えているときは何も思いつかなかったのに、誰かと一緒に考えてみたら、なぜかいいアイデアが出てきた。そんな経験はないだろうか?人はそれぞれ違う知識・経験・立場を持っているため、1人より2人、2人より3人で一緒に考える方が発想が広がることが多い。それを意識的かつ積極的に行う手法が「ブレーンストーミング」(略して「ブレスト」)だ。

 ブレーンストーミングとは、数人のメンバーが思い思いにアイデアを出し合う方法である。創造性開発の権威である米国のアレックス・オズボーン氏が1939年に提唱した。ビジネスにおいて日常的に行われている手法なので、読者の皆さんも一度はやってみたことがあるだろう。ブレーンストーミングの効果を高めるために、改めて原理原則を確認しよう。

ブレーンストーミングの効果を高める様々な工夫
ブレーンストーミングの基本は、数人で思いつくままにアイデアを出し合うこと。「違う視点を持つ人を入れる」「途中で席を変える」などの工夫を加えると効果が高まる
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 ブレーンストーミングの基本的な手順は次のとおりだ。

  1. テーマを決める
  2. 参加者を決めて招集する
  3. 思い思いのアイデアを言い合ってホワイトボードなどに書き込む

 こう書くと、進め方は普通の会議と変わりがない。だが通常の「会議」とブレストは中身が大きく異なる。例えば会議では「言いたいことをきちんと整理してから言う」ことが求められる。

 ブレストではその必要はない。また会議と異なり「テストなんてやりたくないよね」といった個人の感情や趣味を出しても構わない。数人が集まってリラックスしながら、思い付いたことをポンポン言い合う。それがブレストの極意である。

 しかし、思いついたことを何でも口に出すのは意外に難しい。上司が出席していれば顔色をうかがうだろうし、言うことを片っ端から否定されれば、発言する気がなえていく。そこで誰もが思いついたことを自由に言える方針やルールを設定することが重要になる。

 ポイントを挙げよう。まずできるだけ違う視点を持った参加者を集める。様々な価値観や経験、知識がぶつかり合うことで、新しい発想が生まれるからだ。