2019年4月19日夕、東京都江東区にある竹中工務店の東京本店に、ベンチャー企業の経営者などが続々と集結していた。「TAKENAKAアクセラレーター」の説明会に参加するためだ。同社の俵谷宗克副社長らはおそろいのTシャツに身を包み、笑顔で参加者を出迎えた。

 TAKENAKAアクセラレーターとは、同社と共に新たなビジネスに挑戦したいと考えるベンチャー企業を募る取り組み。140社から応募があった。書類選考を経て19年9月にコンテストを実施し、数社を選定。竹中工務店がサポートしながら、20年2月の発表会までに提案を磨き上げる。内容によっては、同社の新規事業に発展することもあり得る。

 竹中工務店で技術本部長を務める村上陸太執行役員は、「説明会後の懇親会では、多くの参加者と会話が弾み、乾杯のグラスを置いた後は一度も口を付けられないほど盛況だった」と顔をほころばせる。

「TAKENAKAアクセラレーター」の説明会には多くのベンチャー企業が参加した(写真:日経アーキテクチュア)
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 堅実な社風の同社が「ゼネコンらしからぬ」取り組みを始めたのは、社外の技術やアイデアを取り入れて技術革新や新規事業の立ち上げを目指す「オープンイノベーション」を加速させるのが目的だ。

 これまで建設会社の研究開発と言えば、超高層ビルや長大橋、大断面トンネルのような難プロジェクトの受注を念頭に、大学などと要素技術や工法を磨き上げるのが常道だった。しかし、それだけでは足りなくなっている。

 ロボティクスやAI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)のような先端技術を取り入れて工事の生産性を飛躍的に高めたり、将来の「飯のタネ」となり得る新規事業を立ち上げたりするには、ベンチャーなどとの協業が欠かせない。異業種の大企業が力を入れるオープンイノベーションが、建設業界でもいよいよ本格化してきた。

 竹中工務店に限らず、各社はその裏付けとなる研究開発費を、以前と比べて大幅に積み増している。

竹中工務店は将棋AIで有名なHEROZに出資し、構造設計業務を支援するAIを開発している(資料:竹中工務店)
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