星野リゾートの手掛けるホテルブランドのうち、多世代の家族連れやグループでの利用を主なターゲットにした「リゾナーレ」。その4つ目となる施設「リゾナーレ那須」が2019年11月に開業する。体験型リゾートとして、同社初の「農と食」をテーマに選んだ。

 栃木県の那須高原で約30年間運営されきた高級リゾートホテル「二期倶楽部」の所有権を、星野リゾートが取得。クライン ダイサム アーキテクツ(以下KDa)を起用し、付帯施設の新築や、客室、レストランの改装などを進めている。

 星野リゾートが同施設のリノベーションを模索する中で着目したのは、付近では農業が盛んで、農業体験の受け入れに前向きな生産者が存在する点だった。当初は「収穫体験」を宿泊者の目的の1つに取り入れるイメージを持ち、KDaも加えて施設コンセプトの検討に入った(〔図12〕は新築となる付帯施設)。

〔図1〕子どもも大人も楽しめる新施設
「POKO POKO」。「ファミリーホテルというと子どもの相手で親は疲れて帰ってくる場合も多い。リゾナーレでは、どの世代も楽しめるサービスを指向している。そのための新施設だ」(リゾナーレ那須の中瀬勝之総支配人)(資料:クライン ダイサム アーキテクツ)
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〔図2〕アクティビティー機能を凝縮させる
「POKO POKO」平面図。「日本初のアグリツーリズモリゾート」の触れ込みで2019年11月に開業する。季節や天候によらず、宿泊者が集まって過ごせる場所が必要になる。そこで元駐車場を使って建物を新設した(資料:クライン ダイサム アーキテクツ)
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 地域とのコミュニケーションを通して分かってきたのは、生産者が農業の仕事を広く知ってほしいと考えても、収穫期に体験希望者が集中すると疲弊して長続きしないという課題だった。一方、ホテルの側も、収穫という一時期に偏らずに通年で展開できるテーマを見つける必要があった。

 リサーチの末、「食というテーマも組み合わせて四季それぞれのプログラムを用意し、これに地域の生産者とのネットワークを生かしていこうと決めた。収穫期以外の農作業なども知ってもらう機会を設ける」とリゾナーレ那須の中瀬勝之総支配人は語る。元から敷地内にあった畑や温室も活用し、イタリアなどに事例がある「アグリツーリズモ」(農業観光)をコンセプトとするホテルとして運営する方針を固めた。

高級リゾートホテル「二期倶楽部」を星野リゾートが取得。自然環境や、周囲の生産活動と触れ合うことのできる、家族・グループ客向けのホテルにリノベーションした(資料:星野リゾート)
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リゾナーレ那須の開業イメージイラスト(資料:星野リゾート)
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