50~60代のベテラン社員をマネジメントする、年下のマネジャー。こんなマネジャーが、たった一言で年上部下からの信頼を失ってしまうことがあります。今回は、マネジャーにとって“命取り”になり得る発言を2つ取り上げます。

 1つ目は、「部長が言ったから」。これを言った瞬間、その人は「ヒラメマネジャー」との烙印(らくいん)を押されかねません。魚のヒラメのように上ばかり見ている様子を皮肉る言葉です。

 例えばマネジャーが部下にある仕事を依頼したが、翌日、経営判断で実行を止めなければならなくなるといったことがあります。部下にそれを説明する際、「社長が言ったから」「部長が言ったから」などの言葉で片付けてしまうことはないでしょうか。

「部長に言われたので」で信頼を失うマネジャー
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 マネジャーも経営層や上司から中止を命じられただけかもしれませんが、指示がコロコロと変わると部下は戸惑います。こうしたときに「部長が言ったから」の一言で済ませるか、指示が変わった背景や自分の立場などをしっかりと説明するかで、部下のモチベーションは変わります。

 それ自体は若手の部下にも言えることですが、ベテラン社員にはより当てはまります。経験が長い分、ベテラン社員は職場全体を見渡すことができます。経営層の人間関係や部署の課題などが見えているため、「自分だったらこうするのに」「現場ではこんなことが起こっているのに」と心の中でつぶやきながらマネジャーを観察しています。一方で、自分の役割や責任の範囲を越えたことはしてはならないとの思いがあるので、具体的なアクションは起こさないのが一般的です。

 こうしたベテラン社員の信頼を失わず、協力を得るなら、指示変更などの際は丁寧な説明が必要です。マネジャーが社内事情で苦労しながらも部下を尊重している姿勢が伝われば、ベテラン社員の受け止め方も変わるでしょう。

「若い人に譲ってあげて」で傷つく心

 また、部下に言いにくいことを伝える際、本当は経営層は無関係なのに社長や部長の名前を使って話をするマネジャーがいますが、これは要注意です。ベテラン社員の情報収集能力は、マネジャーをはるかに上回っていることが少なくありません。役員と同期入社で、プライベートで通じ合っているケースもあります。こうしたことからウソがばれれば、マネジャーの信頼回復は絶望的です。

 こうなると、マネジャーよりもベテラン社員の方が部内のメンバーからの信頼を集めることにもなります。マネジャーの指示は誰も真剣に聞かなくなり、統率が取れなくなって部署が崩壊する可能性もあります。

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