部下10人のうち8人が50代、マネジャーより年上ばかり――。そんな職場が増えてきました。毎年4月に「今年の新人の傾向と対策」といった話題が盛り上がりますが、年長者ばかりの職場では、新人への対処法を超えるノウハウが求められているようです。

 筆者は人事コンサルタントとして、50代社員を中心とした職場活性化に10年以上取り組んできました。50代の社員だけでなく、その人たちを統括するマネジャーを対象に研修やワークショップを実施しています。「年上部下のマネジメント」は10年前は比較的新しいテーマでしたが、今では多くの職場で求められる知識やスキルになっています。

 本特集では「50~60代で、マネジャーよりも年上の社員」をベテラン社員と呼び、ベテラン社員への対応に四苦八苦するマネジャーの悩みを取り上げます。そして、解消のためのヒントをお伝えします。

 初回である今回は、マネジャーの「ベテラン社員は権利ばかり主張するわりに、働く意欲がない」という愚痴について考えます。

ベテラン社員は3グループに分けられる

 こうした声は、現実によく耳にします。読者にも同じような思いを抱いている人が少なくないかもしれません。

 しかし、筆者は必ずしもそうではないと感じています。筆者は50代以上のベテラン向けに、「転職まで全力で働く」というテーマのワークショップをここ十数年、毎年20回以上実施しています。そこで多くのベテラン社員とじかに接すると、「50~60代の時期も真剣に働きたい、まだまだ成長したい」との強い意志や高い意識を持った人が多くいることを実感します。

 筆者のこれまでの経験から言うと、ベテラン社員は次の3つのグループに分けられます。

  • Aグループ:まだまだやる気も意識も高い社員(全体の2割)
  • Bグループ:可もなく不可もなく無難に仕事をする社員(全体の6割)
  • Cグループ:働く意欲に欠け、文句が多い社員(全体の2割)
働く意欲に欠け、文句が多いベテラン社員
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 あなたがマネジャーだったとして、この3つのうちまず意識的に関与するのはどのグループですか。Cグループ、つまり口うるさくて反抗的な社員への対応に心を砕く人が多いのではないでしょうか。

 しかし、筆者はこれをお勧めしていません。まず積極的に関与すべきは、Aグループの人たちです。

まずは「やる気がある人」と関わる

 Aグループは、「せっかくここまで働いてきたのだから、経験を生かしつつまだまだ専門性を伸ばしたい」と考えている人たちです。成長意欲を持ち、会社や仕事に対しても前向きです。まずはこうした人たちに積極的に声を掛け、「今後何をしていきたいか、どのように成長したいか」を丁寧にヒアリングします。

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