韓国の産業通商資源部(部は省に当たる)は、2019年9月18日0時より改訂した戦略物資輸出入告示を施行したと発表した。同部は、「戦略物資輸出統制制度は国際輸出統制体制の基本原則に沿って運営されるべきであるため、基本原則に沿わない制度を運営するなど国際共助(国際協力)が難しい国に対する輸出管理を強化するため、戦略物資輸出地域区分を変更する改訂を行った」とした。

 主な改定は、告示第10条にある戦略物資輸出地域分類の新設である。改訂前は4大国際統制体制―ワッセナー・アレンジメント、原子力供給国グループ(NSG)、オーストラリア・グループ(AG)、ミサイル技術管理レジーム(MTCR)―に全て加入している29カ国を「カ」地域とし、そうでない国を「ナ」地域に分類、「カ」地域は戦略物資輸出入優遇国として扱っていた(「カ」「ナ」は日本語の50音順のようなもの)。改訂後は、4大国際統制体制に全て加入した国であっても国際統制体制の原則に違背して制度を運営する国を「カの2」に分類し、「カの1(既存のカ地域)」よりは厳しく、「ナ」地域よりは優遇するという。「カの2」に分類されたのは日本のみ。これで「カの1」地域に分類されたのは米国、英国、ドイツ、フランス、オーストラリアなど28カ国になった。

 いわば「韓国による日本のホワイト国除外」である。ただし、韓国内では、産業通商資源部の告示改訂は日本企業にも韓国企業にもそれほど影響がないと見られている。既に損得は計算済みで、日本の経済に影響を与えたいというより、日本が韓国を信頼できないとしてホワイト国から除外するのであれば韓国も日本を信頼できないとそっくり同じ言葉を返し、「今までとは違う」「日本に引きずられない」「韓国は変わった」ということを日本に示すための「象徴的」意味を持つとみられているのだ。

 その根拠として、改定の内容を詳しく見ていこう。改訂により、韓国政府が指定した戦略物資1735品目のうち、武器転用などの恐れが比較的弱い「非敏感戦略物資」1138品目を日本に輸出する企業は、原則として包括許可を受けられなくなった。以前は輸出申請書の提出のみで3年間有効な輸出許可を得られたが、2019年9月18日からは輸出する度に申請書、戦略物資判定書、営業証明書、最終荷受人陳述書、最終使用者誓約書(最終荷受人と最終使用者が同じ場合は誓約書のみ)を提出し、許可をもらう必要が生じる。許可手続きにかかる期間も5日間から15日間になった。「敏感戦略物資」597品目はもともと「カ」地域の優遇国に輸出する場合でも個別に許可が必要だったので、改訂による変更はない。

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