ダムの建設現場に自律運転が可能な重機が二十数台展開。堤体の盛り立て作業を70時間連続で行う――。

 ロボット化した重機による自律施工の大掛かりな取り組みが、鹿島・前田・竹中土木JVが施工する成瀬ダム堤体打設工事(秋田県東成瀬村)で、早ければ2020年秋に実現する。国土交通省が発注した現場だ。自動で操れる重機が20台を超える数で建設現場に投入され、実際の施工を担う事例は、世界にも類を見ない。

成瀬ダム堤体打設工事へのクワッドアクセル(A4CSEL)の導入イメージ。早ければ2020年秋ごろ、自動化された重機23台が一斉に稼働する光景が見られる。システムの名称は「Automated」「Autonomous」「Advanced」「Accelerated Construction system for Safety , Efficiency , and Liability」の頭文字にちなんだ(資料:鹿島)
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2019年8月時点の成瀬ダムの建設現場の様子。本体基礎掘削工事や法面保護工事などが進む(写真:鹿島)
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 成瀬ダムは、堤体の大部分をCSGと呼ぶ砂れきをセメントで固めた材料で盛り立てる台形CSGダムだ。この堤体の盛り立て作業は全て自動化される計画で、最盛期には、いずれも自律運転が可能なダンプトラック7台、ブルドーザー4台、振動ローラー7台、コンバインドローラー3台、清掃車2台を投入。これらが連係して、CSGの荷受け・搬送から、打設表面の清掃、まき出し、転圧といった作業を70時間継続して自動で行う。CSGの打設量は約4万8000m3に達する。

 取り組みの要となるのは、鹿島が提唱する次世代建設生産システム「クワッドアクセル(A4CSEL)」だ。市販のICT建機を改造し、自律運転できるようにした重機を軸に、単純作業や繰り返し作業をオペレーターの操作なしで行う。人間の役割は、基本的に施工開始の指示や計画変更時などの対応、監視となる。

 このシステムの導入で現場を「工場」と化し、技能者不足や生産性・安全性の向上など、建設業が抱える課題の解消につなげる狙いがある。

クワッドアクセルを実現場に導入した福岡県朝倉市内での小石原川ダム本体建設工事の施工状況。自動ブルドーザーがコア材をまき出し、その後を追いかけるように後方の自動振動ローラーが転圧を行っている。2018年11月に撮影(写真:大村 拓也)
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