「人が育った」。みずほフィナンシャルグループの坂井辰史社長はシステム完全統合プロジェクトの成果についてこう述べた。取材に応じたみずほ幹部、現場のシステム担当者、プロジェクトを支えたITベンダーの幹部も同じ話をしていたのが印象的だ。

(写真:北山 宏一)
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 ITがどれだけ進化しても、何十万人月規模のシステム開発を完全自動化するのは不可能だ。AI(人工知能)が人の能力を超えるシンギュラリティの時代が訪れても、巨大プロジェクトは人手で進めるしかない。

 「人類は工夫を凝らして自動車など様々な道具を進歩させてきた。それら道具の裏にソフトあり。朝から晩まで人々がソフトを利用する立場になった。そのソフトだけは人間でないと作れない。誰もが道具の利用者になっている今の時代にあって、人間らしい最後の仕事がシステムやソフトの開発です」。一足先にシステム統合を果たした三菱東京UFJ銀行(現三菱UFJ銀行)で当時会長を務めていた畔柳信雄氏は、10年前の日経コンピュータの取材でこう言った。その通りである。

 FinTechへの対応、AI(人工知能)やブロックチェーンなど新技術の活用、少子高齢化の時代を見据えたビジネス変革、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)による事務の効率化――。銀行が直面する様々な課題を解決するには、システム開発力が欠かせない。東京スカイツリーの建設費7本分などと言われる巨額を投じたが、それによって得た価値はプライスレスと言えるだろう。

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