新システムの「MINORI」は完全な新規開発だ。旧みずほ銀行(BK)の旧勘定系である「STEPS」や旧みずほコーポレート銀行(CB)の「C-base」、みずほ信託銀行(TB)の「BEST」からはコードを一切引き継いでいない。

 ユーザー部門による要件定義もやり直した。その際は旧システムの要件や現状の業務フローを踏襲する「AS IS(アズイズ)」の要件定義を全面的に禁じた。「過去の苦い経験から、要件定義においてユーザー部門が『今のままで良い』『アズイズでよろしく頼む』との態度をとるのが最悪だと学んだからだ」。2009年以来、みずほフィナンシャルグループ(FG)の最高情報責任者(CIO)を10年間務めた安部大作副会長執行役員はそう振り返る。

 苦い経験とはみずほFGが2004年から始めた次期システム開発の初期段階を指す。同社が「第1ステップ」と呼ぶハブシステムの導入は計画通り進んだが、続く「第2ステップ」の開発が大きく難航したのだ。

 第2ステップは「ローン」や「総合振込・給与振込(総給振)」など勘定系の周辺システムを作り直した。STEPS同様、これら周辺システムも老朽化していたためだ。しかし2006年度までに完了させる計画だった第2ステップの開発は4年ほど遅れ、2010年度までかかった。遅れが生じた原因がアズイズでの要件定義にあったというのだ。昔の要件定義を振り返ったり、現行の業務フローを情報システム部門が分析して要件として定義したりするのに膨大な時間を費やした。

スパルタ式要件定義

 MINORIの要件定義に当たっては、ユーザー部門はアズイズではなく「銀行業務を棚卸しして、あるべき業務フローを考えさせた」(みずほFGの加藤正樹事務企画部副部長)。「劇薬」も用意した。ユーザー部門が要件定義をする際にJBCCが販売する上流工程支援ツール「Xupper」を使わせたのだ。

図 「MINORI」の業務コンポーネント開発体制
ユーザー部門が直接要件定義(画像提供:JBCCホールディングス)
[画像のクリックで拡大表示]

この先は有料会員の登録が必要です。「日経SYSTEMS」定期購読者もログインしてお読みいただけます。今なら有料会員(月額プラン)が2020年1月末まで無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら