みずほ銀行は2002年4月と2011年3月に起こした2度の大規模システム障害で、合計350万件を超える振込遅延と数万件の二重引き落としを発生させた。新システムである「MINORI」への移行後はこうした大トラブルは減る見込みだ。トラブルの原因となった大量バッチ処理を解体したからだ。

 2度の大規模システム障害では夜間バッチ処理の失敗によって、大量の振り込みが未送信になった。昼間に営業店の従業員が端末を使って1件ずつ振り込みを送信し直したが、その情報が夜間バッチの再実行時に反映されなかったため、二重振り込みが起きた。

 MINORIは大量の振り込みを1件ずつ単一のトランザクションとしてオンライン処理する。振り込みに失敗しても、失敗した処理だけやり直せる。最初から全件の処理をやり直したり、手作業で送り直したりする必要はない。

 処理の流れはこうだ。電力会社からの口座振り替えなどの依頼は、「口座振替」システムや「総合振込・給与振込(総給振)」システムが受け付ける。振込依頼データはネット経由で送られてくる場合もあれば、磁気テープに格納した状態で送られてくることもある。口座振替・総給振の両システムは依頼データを整形して、「集中記帳」アプリケーションへと送る。

図 集中記帳システムの改善点
バッチとオンラインを統合した
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集中記帳をオンライン処理に

 メインフレーム上で稼働する集中記帳アプリは受け取った大量の振込依頼データを解釈して1件ずつの取引に分解した上で、MINORIの司令塔である取引メインに対してトランザクションとして送信する。取引メインはそれを受けて「流動性預金アプリから出金して、内国為替取引アプリで同額を送金する」といった複数の業務アプリにまたがるトランザクションを処理する。「ATMで受け付けた振り込みをオンライン処理するのと、仕組み上は全く同じだ」。みずほ銀行の間仁田幹央IT・システム統括第一部次長はこう語る。

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