「N35.6573731 E139.7488043」。これだけを見ると、何の記号と数値なのか、全く分からない人が大勢いるだろう。しかし数年先には、我々の生活を大きく変える可能性を秘めた重要な数字の羅列だ。今回のデジタル活用(デジカツ)は、この数字にまつわる話である。

バルーン型デバイスを持つ私。みんなが光る風船に注目する中、私は隣にいる動くロボット台車を追いかけていた。台車の上の細長いディスプレーには「N35.6573731 E139.7488043」と表示されている(写真:日経アーキテクチュア)
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 東京都と公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京が主催し、エンジニア集団のRhizomatiks(ライゾマティクス、東京・渋谷)が企画制作と演出を手掛けた「Light and Sound Installation "Coded Field"(コーデッド フィールド)」が、2019年11月16日の夜に開かれた。

 場所は東京・港にある「浄土宗大本山増上寺」、および、隣接する港区立芝公園と東京都立芝公園。夜は東京タワーが大殿の後ろで真っ赤に輝くロケーションである。

 この晩、境内に集まった2000人強の参加者は、合計1000個のバルーン型デバイスをグループや個人で利用できた。デバイスは、手で持つ長いスティックと宙に浮かぶLED内蔵の風船でできている。

 日が暮れた午後6時すぎ。風船が様々な色に輝き始め、スティックの底に付いているスピーカーからは音や歌声が流れ始めた。光と音のイベントはこうして始まった。風船の色が変わったり瞬いたりするたびに、境内からは歓声が上がり、大人も子供も大喜びだった。

参加者が持つバルーン型デバイスが一斉にピンク色に光ったときの様子(写真:日経アーキテクチュア)
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 私はバルーン型デバイスの試作段階から取材を進めてきた。当日は参加者の1人として、光と音を自分の目と耳で確かめに行った。

 デバイスは境内の特定の位置に近づくと、その「場」に割り当てられた色の光と音を発する。こうして1000個のデバイスを一斉に制御し、境内を特定の色や音で包み込む。

バルーン型デバイスの光と音を現場で制御していたライゾマティクスのメンバー。右がCoded Fieldの発案者である真鍋大度氏(写真:日経アーキテクチュア)
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