まずは下の図を見てほしい。廃棄物処理や資源リサイクルを手掛けるリバーホールディングス(東京都千代田区)の新しい本社ビルのプランだ。左は竹中工務店が2008年に提案したもの。時期がリーマンショックによる不況と重なり、新本社の建設は一度白紙となった。

 そして約10年が過ぎた2019年、再開した新本社の建設が現在、終盤を迎えている。建物を上から見た平面図に注目してほしい。図の右が現在進んでいるプランだ。2008年とは建物の形が全く違っている。

リバーホールディングスの新本社ビル計画。左は竹中工務店が2008年に提案したもの。リーマンショックで建設は白紙になった。そして右が建設中の2019年プラン。建物の形が全く違っている(資料:竹中工務店)
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 2008年のプランは、さほど珍しくはない長方形の大空間だ。仕切りや柱が少ない、この当時のオフィス設計のトレンドをよく表している。

 ところが2019年のプランはどうか。大空間に変わりはないが、フロアには直線がほとんどない。何と表現すればよいのか分からない、不思議な形に変化している。10年間の設計技術の進歩と言えば、それまでかもしれないが、最先端のオフィス設計はここまで劇的な進化を遂げている。

 設計前にコンピューターを使ってスタディーを繰り返す「コンピュテーショナルデザイン」と、設計・施工時に具体的な検討を重ねるためのBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の全面採用で、これほど複雑な曲面のオフィスデザインが可能になった。

 設計したのは、竹中工務店の東京本店設計部設計第2部門設計4(アドバンスト デザイン)グループ長の花岡郁哉氏が率いるチームだ。花岡氏は新本社の職場環境の変化に伴う社員の行動シミュレーションを実施し、このレイアウトを提案した。

竹中工務店東京本店設計部設計第2部門設計4(アドバンスト デザイン)グループ長の花岡郁哉氏。コンピュテーショナルデザインと設計・施工におけるBIM活用の第一人者だ。「BCS賞」など数々の受賞歴がある。代表的な設計案件はメルセデス・ベンツ日本と共同で東京・六本木に建設した、人とクルマと建築の新しい関係を具現化した「EQ House」(写真:日経アーキテクチュア)
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