国土交通省が2019年10月から始める賃貸取引の社会実験に対応するため、不動産会社と不動産テック企業が協力する動きが活発になっている。名古屋市に本社を置く東建コーポレーションと不動産テック企業のイタンジ(東京都港区)は9月5日、共同でこの社会実験に参画すると発表した。

 今回の社会実験では、宅地建物取引業法で書面の交付が求められている重要事項説明書や賃貸借契約書などを電子書面として交付する。テレビ会議システムなどのITを活用して重要事項説明(以下、重説)を実施する「IT重説」については2017年10月から運用が始まっている。今回はさらに踏み込んで、電子書面の交付や電子認証サービスの導入を想定する。賃貸取引をネット上で完結させることを見据えた実験だ。

 事前登録では不動産会社113社が参加を表明した。東建コーポレーションはそのうちの1社。同社は、愛知県内の3カ所の営業所で、同意した入居希望者を対象に電子書面の交付やIT重説を実施する。

 東建コーポレーションは、社会実験に参加するに当たり、複数の電子契約システムや電子認証サービスを検討した結果、イタンジのシステムを採用した。東建コーポレーション仲介管理局の中野佑一・局長代理は、「入居者募集から、来店、内覧、入居申し込み、重説、契約と、一気通貫でウェブ対応ができる点を評価した」と語る。

賃貸取引における従来の業務の流れ(上段)と、社会実験で東建コーポレーションとイタンジが想定する業務の流れ(下段)。宅地建物取引業法で書面の交付を求めている「重要事項説明書」(35条)や「賃貸借契約書」(37条)について、電子書面を交付して電子契約を締結する。電子契約にはブロックチェーンの技術を用いている(資料:イタンジ)
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