読みやすい文章を書くには秘訣がある。本特集では日経ITプロフェッショナルの過去記事を再編集し、記者が培ってきたノウハウを合計20個のチェックポイントとして紹介する。

 日本語としては正しいが、言い回しや言葉遣いが冗長なため、スムーズに読み進められない文章がある。どうしたら「スラスラ読める文章」を書けるのだろうか。

 それを実現するためのチェックポイントは数多く存在する。ここでは基本的なものを11個選んで紹介する。

無駄がなく読みやすい文章を書くチェックポイント
[画像のクリックで拡大表示]

チェックポイント1:長い文になっていないか

 まず1つの文章をできるだけ短くしよう。

 「プロジェクトマネジャーが計画の作成や進ちょく管理、ボトルネックの分析といった業務に利用するプロジェクトマネジメントツールは、一昔前までITベンダーの間で導入が進まなかった」という文がある。これを読んで、すぐに意味が分かるだろうか。

 この文の骨格となる主語と述語は、「プロジェクトマネジメントツールは」と「あまり利用されなかった」である。だが「プロジェクトマネジメントツール」にかかる修飾語の中にも主語・述語の関係があるため、文の構造が分かりにくい。

 このように、主従関係にある複数の主語・述語の組み合わせを含む1つの文を「複文」と言う。複文は2つ以上の文に分けると読みやすくなる。以下の図にある左右の文を見比べれば、読みやすさに大きな違いがあることが分かるだろう。

1つの文をできるだけ短くする
[画像のクリックで拡大表示]

 文が短いほど、読み手は意味をつかみやすい。執筆・推敲(すいこう)の際は、「この文を2つに分けることはできないだろうか」「この形容詞や副詞は削れないだろうか」といった具合に、できる限り短い文にすることを心がけるべきだ。

チェックポイント2:分かりやすい語順になっているか

 以下の図にある、「SCMシステムを取引先とともに商品在庫量を削減するため導入する」という文を見てほしい。「こんな分かりにくい語順には普通しない」と思うかもしれない。しかし思い付くままに文章を書いていると、ついこういう語順にしてしまいがちである。

分かりやすい語順にする
[画像のクリックで拡大表示]

 それには理由がある。私たちは文を書くとき、無意識のうちに、強調したい語句から並べていく傾向があるのだ。図左の文の場合、書き手にとって最も強調したい語句は「SCMシステム」。次が「取引先とともに」「商品在庫量を削減するため」だった。強調したい順にそのまま頭から並べていったら、こうなったというわけだ。

 日本語では、様々な語順で文を書ける。そのため書き手はあまり語順を意識することがない。しかし語順は、文の分かりやすさを大きく左右する。「主語と述語を近づける」「目的語(~を)を述語(~する)のすぐ前に配置する」「長い修飾語は短い修飾語の前に配置する」といった原則をふまえ、一番分かりやすくなる語順を探そう。

 図左の文は、原則に従って「商品在庫量を削減するため、取引先とともにSCMシステムを導入する」と直すと、ぐっと分かりやすくなる。