読みやすい文章を書くには秘訣がある。本特集では日経ITプロフェッショナルの過去記事を再編集し、記者が培ってきたノウハウを20個のチェックポイントとして紹介する。

 読みやすい文章を書く上で最も基本となるのは、文法的に正しい日本語を書くことだ。

 「日本語として正しいかどうかなんて、いくら何でもチェックポイントとして当たり前すぎる」と思うかもしれない。しかし意味は分かる文章でも、日本語として不適切な表現が見つかるケースは決して少なくない。そこで今回は正しい文章を書くチェックポイントを5つ紹介する。

正しい文章を書くためのチェックポイント
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ポイント1:主語と述語が正しく対応しているか

 まずチェックしたいのが、主語と述語の対応関係である。主語と述語(複数の単語から成り立つ場合は主部および述部とも言うが、ここでは主語と述語で統一する)は、文の最も基本的な構成要素だ。主語と述語の対応が正確に取れていないと、文として成立しない。

 以下の図上に示した「プロジェクトマネジャーの役割は納期やコストを管理する」という文は、あるITエンジニアが実際に書いたものだ。この文の主語は「役割は」、述語は「管理する」である。「役割は……管理する」という対応関係は明らかにおかしい。

主語と述語を正しく対応させる
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 正しくは「役割は……管理することだ」である。もしくは「プロジェクトマネジャーは……管理する」とすればよい。

 もう1つ例を挙げよう。

「新しい業務プロセスは、各支店の購買担当者が仕入れ発注を行う」

 意味は分かるが、ギクシャクした感じがしないだろうか。この文の問題は「新しい業務プロセス」が一見して主語に見えてしまうことである。これが主語だとすると、述語に当たる部分が存在しない。

 この文の本当の主語は「購買担当者」である。「新しい業務プロセス」が主語に見えると読みにくさにつながる。

 そこで以下のように「新しい業務プロセス」に続く助詞の「は」を「では」に変えて主語と述語の対応関係を明確にすればよい。

「新しい業務プロセスでは、各支店の購買担当者が仕入れ発注を行う」