中国の電気自動車(EV)スタートアップを現地取材した特集「ポストTeslaが示す、新しいEVの売り方」の第4回は、米テスラ(Tesla)を強く意識して高級路線を進む中国・小鵬汽車(Xiaopeng Motors)である。

 小鵬汽車は2014年の設立。中国のインターネット通販最大手の阿里巴巴集団(Alibaba GroupHolding、アリババ)や、台湾の電子機器受託製造大手である鴻海精密工業(Foxconn)などが出資したことで注目を集めた。小鵬汽車は、最初の量産EV「G3」を2019年3月から納車している(図1、2)。これまでに約1万台を受注し、2019年中に4万台の納車を目指すという。

図1 小鵬汽車初の量産EV「G3」
小型のSUV(多目的スポーツ車)タイプ。(撮影:日経Automotive)
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図2 G3の内装
Teslaと同様に、大型の液晶ディスプレーをインパネ中央部に配置した。(撮影:日経Automotive)
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 同社のEVは、自動運転機能を前面に打ち出す。2020年に発売予定の新型EV「P7」は「レベル2+」の自動運転に対応する(図3)。レベル2+は、従来の先進運転支援システム(ADAS)をより進化させたもの。運転者が責任を負うが、高速道路での先進的な自動運転を実現する。

図3 10個以上のカメラで周囲360度を監視
小鵬汽車は、「レベル2+」の自動運転機能に対応したEV「P7」を2020年に発売する。車両前方だけでなく、後方や側方にも100万画素以上の高解像度カメラを搭載する。(撮影:日経Automotive)
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 レベル2+を実現するため、車載コンピューターに米エヌビディア(NVIDIA)の「DRIVE AGX Xavier」を採用した。トヨタ自動車やスウェーデン・ボルボ(Volvo Cars)などが採用するものと同じだ。P7のEVプラットフォームの後輪側に、Xavierを搭載する専用スペースを設けた(図4)。

図4 小鵬汽車が2020年に量産するEVのプラットフォーム
自動運転用のコンピューターとして、後輪側にNVIDIAのDRIVE AGX Xavierを配置した。(撮影:日経Automotive)
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 小鵬汽車のVice Presidentで自動運転開発を主導するJunli Gu氏によると、「P7に搭載する自動運転機能は米シリコンバレーの拠点で開発している」という。Teslaや米クアルコム(Qualcomm)などで自動運転技術を開発してきた技術者を積極的に採用している。

 他社からの技術者の引き抜きは開発スピードを高められる一方で、リスクも抱える。実際、Teslaは2019年3月、小鵬汽車に転職した元社員を自動運転技術を盗んだとして提訴している。

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