積算ミスによる契約解除や減額要求、関係機関との調整不足による工事の一時中止――。自治体をはじめとする公共事業の発注者の不手際によって、理不尽な要求を突き付けられ、尻拭いをさせられる建設会社や建設コンサルタント会社は多い。

 こうした中、人工知能(AI)やロボットの活用、スタートアップとの協業などに取り組む発注者が増えてきた。仕事を効率化することで、発注者が本来、力を入れるべき技術の研さんや設計変更の検討などに時間を割ける。受注者からの評価も高まるはずだ。

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 国土交通省が進める建設業の生産性向上策i-Constructionの普及に伴って、ドローンや3Dスキャナーで記録した点群やCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)データなどが業務・工事の成果として納品される事例が増えてきた。発注者にとって、集めた3次元データの利活用がこれからの課題だ。

■ 静岡県は発注した業務・工事の一部で点群データを公開している
東京大学などが開発した「マイシティーコンストラクション」は受注者が希望すれば利用できる(資料:東京大学、静岡県)
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 活用の一例がシンガポール政府が整備する「バーチャルシンガポール」だ。各公共機関が作成した3次元のBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)データなどを1つに集約し、街全体をネットワーク上に再現した。都市計画の立案や環境シミュレーションなどに生かしている。

 東京大学生産技術研究所が建設技術研究所、社会基盤情報流通推進協議会と共同で開発した「マイシティーコンストラクション」は、受注者が納品した3次元データなどをインターネット上で誰でも見て活用できるオープンデータとして管理するシステムだ。2018年度から運用を始め、静岡県や群馬県などが試験的に参加している。位置情報と重ね合わせられるので、日本版のバーチャルシンガポールに発展する可能性も秘めている。

 研究代表者の東大生産研の関本義秀准教授は、「3次元データの流通が進んで誰もが使えるようになれば、おのずから活用が始まるはずだ」と話す。18年度末の時点で登録済みの業務や工事は100件程度。20年度には都道府県や政令市を中心に5000件まで登録数を増やしたい意向だ。

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