積算ミスによる契約解除や減額要求、関係機関との調整不足による工事の一時中止――。自治体をはじめとする公共事業の発注者の不手際によって、理不尽な要求を突き付けられ、尻拭いをさせられる建設会社や建設コンサルタント会社は多い。

 こうした中、人工知能(AI)やロボットの活用、スタートアップとの協業などに取り組む発注者が増えてきた。仕事を効率化することで、発注者が本来、力を入れるべき技術の研さんや設計変更の検討などに時間を割ける。受注者からの評価も高まるはずだ。

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 公共事業を進める発注者が避けて通れないのが、地域住民との合意形成だ。手間取れば着工が遅れ、完成時期に間に合わせるためのしわ寄せが建設会社などの受注者に及ぶ。

 これまでは公民館などで開催する事業説明会やワークショプなど、昭和の時代からほとんど変わらない手法が中心だった。参加者の多くは時間に余裕がある60代以上に固定されがちだ。若い世代から意見を集めようにも、アンケート調査では事業の賛否など表面的な質問しかできなかった。

■ チャットボットのキャラクター「ひありん」が住民にインタビューする
参加者は朝6時台や夜9時台など自由な時間に回答した(資料:三菱総合研究所)
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 新潟市は若い世代と行政との対話の場が少ない点に問題意識を持つ自治体の1つだ。2018年3月、三菱総合研究所からの提案を受け、AIを搭載した自動会話システムの「チャットボット」を使って意見を収集する実証実験を行った。チラシなどを通じて募った市民111人を対象に、図書館など公共施設の建て替えや統廃合についての心配事を聞き出した。

 チャットボットのAIは、住民の回答を認識して一問一答で「会話」する。相手の反応を見ながら何度も質問を投げかけ、事前に準備したモデル回答などから住民の意見に最も近いものを探り出す。回答の意味を理解できないときは「具体的に教えてください」「つまり○○ということですか」と問い直して、自然に会話を続ける。

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