歩く。日常的な何気ない行為だけに、その良しあしを自身で判断することは難しい。ただ、健康的な生活を追求するうえで基本となる重要な行為であることは間違いない。どうにか簡単に良しあしを判断できる仕組みはないだろうか。そんな、需要を捉えたのが、アシックスとNECソリューションイノベータが共同で開発した歩行姿勢診断システムだ。今回、28歳の男性記者が同システムを体験し、その実力を検証した(図1)。   

図1 アシックスとNECソリューションイノベータが共同で開発した歩行姿勢診断システム
測定の様子と手順(撮影:日経 xTECH)
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 体験の舞台は、東京都江東区新木場に構えるNECソリューションイノベータの社屋内。浜風が心地よい東京湾沿いの社屋の一室に、液晶画面を備えたテレビ台のような装置が鎮座していた。           

 まずは、生年月日などの個人情報を画面上で入力し、情報をひもづけて蓄積するために「FeliCa」などICカードを読み取り機にかざす。程なくして、「スタート位置でお待ちください」とのアナウンスが流れた。

 装置から約6m離れて待つ。「準備ができたらゴールに向かって歩いてください。どうぞ」。アナウンスに従い、装置に向かって真っすぐ歩いて近づく。「測定中です」「これで測定は終わりです」。ほんの数秒で、筆者にとって初めてとなる歩行姿勢の測定が終わった。

2歩分の動作を抽出

 このとき、歩く距離は6mだが、中間地点での2歩分(約1.5m)の動作を抽出して分析にかける。人の助走区間は2~3mであり、その間は正しい歩行姿勢を診断しにくい。足でブレーキをかけて停止する直前も同様だ。

 測定中の液晶画面には、カメラで撮影した筆者の姿に20個のマーカーがリアルタイムで重畳して映っていた。これは、RGB(赤・緑・青)カメラと深度センサーを備える米マイクロソフト(Microsoft)の3Dセンサー「Kinect」を使って実現している。カメラで撮影できるのは筆者の正面の姿のみだが、体までの距離を検知可能なKinectによって、歩行姿勢を立体的に認識できる。

 NECソリューションイノベータ、イノベーション戦略本部マネージャーの永井克幸氏によると「自社開発の解析システムで爪先の位置を特定可能にし、より詳細な歩行姿勢の診断に役立てている」という。

 いよいよ結果発表だ。

 「31歳か。悪くない結果だな」――。液晶画面に映る診断結果を見て筆者はこうつぶやいた。実年齢より3歳のプラスとなったのは想定の範囲内。歩行姿勢診断では、身体の軸や腕の振り、足の運びといった計6個の項目を、それぞれ5~1の数値で評価する。5が最高評価で、数値が小さくなるほど評価は悪い。いわば、歩き方に関する“通信簿”といったところだ(図2)。

図2 歩行姿勢の総合評価は「31歳」(実年齢プラス3歳)だった
(出所:NECソリューションイノベータ)
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