インドの電子決済サービス「ペイティーエム(Paytm)」は2010年にスタートし、QRコードを使ったモバイル決済でインド最大手に躍進した。今では電子商取引プラットフォームや決済銀行、個人向けローン、金の販売や保険の販売なども手掛ける。

 ペイティーエムは41歳のヴィジェイ・シェカール・シャルマ最高経営者(CEO)が2001年に創業したモバイルインターネット企業ワン97コミュニケーションズが手がけるモバイル決済サービスであり、同社にとってペイティーエムが最大ブランドだ。ワン97はインドで唯一のデカコーン(推定企業価値100億ドル以上の未公開企業)となっている。

 ワン97にはソフトバンク・ビジョン・ファンドが14億ドルを出資するほか、中国アリババ集団や著名投資家のウォーレン・バフェット氏が率いる米バークシャー・ハザウェイも出資する。2018年にスタートしたソフトバンクとヤフーのスマホ決済サービス「PayPay(ペイペイ)」はペイティーエムのQRコード決済の技術を活用している。

 「ヴィジェイのおかげでソフトバンクとヤフーはペイペイをスタートできた。ファミリーとしてのパートナーシップに感謝している」。7月18日、ソフトバンクグループの法人顧客向けのイベント「SoftBank World 2019」で孫正義会長兼社長はこう語り、その実績を高く評価した。

ワン97コミュニケーションズ/ペイティーエムの創業者でCEOのヴィジェイ・シェカール・シャルマ氏
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 ペイティーエムの登録利用者数は2018年で4億800万人。2014年には2000万人ほどだったため、わずか4年で約20倍に増えた計算だ。2018年の総取引額(GTV)は400億ドルで、こちらは4年間で約150倍に成長したという。ペイペイに技術提供する日本以外にも2017年にはカナダに参入しているが、現在は「インド市場にフォーカスしている」とシャルマCEOは話す。

 同社は短期間で高い成長をなぜ達成できたのか。シャルマCEOは「ネットワーク効果の拡大に力を注いだこと」と成功の要因を分析する。ネットワーク効果とはより多くの人々がペイティーエムを利用することで、ペイティーエムのプラットフォームとしての価値が高まることを意味する。そのためのカギとなるのが加盟店だ。ペイティーエムを使える店が多くなればそれだけ多くの人が使うようになる。

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