富士通が1992年に試作した、垂直記録方式を用いた 1.8インチHDD。細長いアームが特徴。(写真:富士通)

 日本で発明され、今や世界中の情報通信インフラを支えるエレクトロニクス技術がある。ハード・ディスク装置(HDD)のデータ記録技術「垂直磁気記録」だ。

 原理を提唱した人物は、当時東北大学の教授だった岩崎俊一氏(現・東北工業大学 理事長)。1977年のことである。ただ、この発明は、長きにわたって雌伏の時代を過ごす。それが花開いたのは2005年。東芝が実用化したHDDの登場まで待つ必要があった。

 その間、約30年にわたり、日本発の基盤技術を巡って多くの技術者がぶち当たった壁、垂直磁気記録に懸けた情熱を紹介していく。

出典:2006年4月24日号~2006年7月3日号 日経エレクトロニクス 「垂直磁気記録、30年の苦闘」
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