30社の売上高営業利益率や営業利益の伸び率をランキングにした。伸びた企業に共通するのは、自らを変化し、トレンドをうまくとらえられたことだ。オービック、トレンドマイクロ、ネットワンシステムズ、ISIDなど好調の秘密を明らかにする。

 上位30社の2018年度営業利益は合計6788億円で、前年度の6002億円よりも13%増えた。この増益の追い風になったのが2017~2018年に流行したトレンドワードだ。「ビッグデータ」「サイバーセキュリティー」「AI(人工知能)」「DX(デジタルトランスフォーメーション)」「働き方改革」など枚挙にいとまがない。

図 2017年~2018年にトレンドとなった技術など
様々なトレンドワードがIT企業の業績を押し上げた(写真:Getty Images)
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 30社を営業利益率や営業利益の伸び率の高い順に並べたところ、これらの追い風をうまくとらえた企業が上位に来た事実が分かった。

首位オービックは利益率50%超

 その代表例が収益力(営業利益率)ランキングで1位となったオービックだ。自社開発したERP(統合基幹業務システム)「OBIC7シリーズ」の販売と運用サポート業務が働き方改革を追い風に高収益を上げた。営業利益率は初めて50%を超え、2018年度は51.2%と圧倒的な高さを誇る。

図 ITサービス企業の収益力ランキング
オービックの営業利益率は50%を超えた
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 オービックが断トツの利益率を確保できる要因の1つに、システム開発から導入サポート、運用まで一気通貫で受託する自前主義があると言われている。ただ、自前主義だから収益率が上がるわけではない。注目したいのは売上原価と販管費だ。

 両費用の多くは営業や開発、導入などを担う社内ITエンジニアの人件費が占める。これらの数字はここ5年ほどは約340億円で横ばいだ。売上高は増えているのに売上原価や販管費は変わらないため、それらを差し引いた営業利益が伸び続けている。

 ある競合ベンダーはオービックについて「パッケージがいくつもの半製品で構成されており、顧客の要望に合わせて簡単にカスタマイズできる。自前主義というより、外注を使う必要がないほど導入に手間がかからない仕組みということだ」と舌を巻く。手間のかかる作りこみ作業が発生しにくくなっており、人件費が膨らむのを抑えているとみられる。

 2位のトレンドマイクロは売上高を前年度より116億円増やしつつ、22.3%と2割超の営業利益率を維持している。売り上げの約4割を誇る日本市場で、利益率の高い個人向けセキュリティー製品のユーザー数を増やした。企業のセキュリティーリスクの高まりでUTM(統合脅威管理)製品の販売が好調だったという。

 ただし、営業利益率は前年度の同24.5%よりも2.2ポイント減少した。トレンドマイクロは、「人員増や人材育成などによる人件費の増加で費用が増えた」と説明する。

 SMBC日興証券の菊池悟シニアアナリストは「Windows OS自身がウイルス対策の機能を備えるようになり、個人向けセキュリティー製品は需要が減る可能性がある。企業向けのセキュリティーへシフトするために人材を集めているのではないか」と見ている。

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