国や自治体などの公共事業の発注者は普段、工事や設計業務などの受注者から評価を受けることがない。そこで、日経 xTECHと日経コンストラクションは「土木の工事や設計業務などをしたことがある」と答えた受注者に発注者を採点してもらう独自のアンケート調査を実施した。

 「入札方式や技術提案の評価は適切だったか」など12の質問項目で発注者の能力や意欲を採点。その平均点を求めて総合評価点とし、ランキングした。さらに、12の質問項目を「受注者を見る目」「頭の軟らかさ」「基礎技術力」「コミュニケーション力」「働き方改革の取り組み」の5つの評価軸に分け、発注者ごとに平均点を分析。偏差値に換算してレーダーチャートで図示した。

 総合評価点のランキング上位の発注者から順に、受注者のコメントとともに紹介する。調査概要は末尾に記載した。



 総合評価点で1~10位となった発注者を取り上げた前回の記事に続き、11~20位にランクインした発注者を発表する。

 受注者が採点した発注者ランキングの11位は、「コミュニケーション力」などを評価され総合評価点62.4点を獲得した静岡県だ。12位以降は長野県や愛知県といった自治体の他、国土交通省中部地方整備局などが続く。一方、国交省近畿地方整備局は55.3点で20位と伸び悩んだ。評価の分かれ目はどこにあるのか、順に見ていく。

■11位:静岡県(総合62.4点)

全体5位にランクインした「コミュニケーション力」を筆頭に、おおむね高評価を得た静岡県。自治体に限れば総合評価点で3位につけた。「橋の床版の劣化状況を調べる業務で、ドローンを使って広域を調査する提案が採用された」など新技術の積極的な活用が評価され「頭の軟らかさ」でも全体10位に滑り込んだ。レーダーチャート内の数字は評価軸ごとの偏差値。黄色の線は平均的な評価である偏差値50を示す
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■12位:長野県(総合62.1点)

「働き方改革の取り組み」が全体4位と好評だった。その中でも、受注者からの質問などに対するレスポンスの早さが高評価。「調査業務で民地への立ち入りや樹木の伐採が必要になった際、すぐに協議を始めるなど素早く対応してくれた」と感謝する受注者の声が寄せられた
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■13位:愛知県(総合60.0点)

愛知県の評価を押し上げたのは、全体5位の「基礎技術力」だ。その他の4つの評価軸でも平均以上の評価を獲得するなどバランスの良さが際立った。一方、「担当者によって技術レベルや対応の良しあしの差が大きい」と感じる受注者もいた
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■14位:中部地方整備局(総合59.7点)

5つの評価軸全てで平均的な評価にとどまった中部地方整備局。ただし、受注者からのコメントでは「受発注者が一緒になって問題解決に取り組めた」「監督員や技術員が現場の問題解決のためにアドバイスをくれた」など好意的な内容が多い。「発注者がすべき仕事を受注者に押し付けている」と感じた受注者が複数いたことが、評価を下げた一因のようだ
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■15位:中国地方整備局(総合58.9点)

2018年の西日本豪雨で大きな被害を受けた岡山県や広島県などで、多くの復旧工事を手掛ける中国地方整備局。受注者からは「打ち合わせに副所長以下担当者が全員出席してくれたので、現場の問題に素早く対処できた」「契約時から数量が大幅に変わったがスムーズに設計変更できた」といった意見が集まるなどおおむね好評だった。他方、「本来は発注者がすべき書類の作成を依頼された。職員の人手不足は明らかだ」と指摘する受注者もいた
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