三菱電機の家庭用エアコン「霧ヶ峰」を造る静岡製作所。作業者の心理まで考慮して不良の芽を摘む仕掛けを導入した「セル生産ライン」で最上位機種を造っていることを既に紹介した。だが、同製作所が不良ゼロを目指す仕組みは他にもある。1つは自動化、もう1つは同社独自の「キット生産方式」だ。霧ヶ峰の生産で不良ゼロを目指す“もう2つ”の仕掛けの詳細を三菱電機が日経 xTECHに明らかにした。

 三菱電機の家庭用エアコン「霧ヶ峰」。日産8000台の生産能力を備え、国内で販売する霧ヶ峰の全量を生産するのが静岡製作所(静岡市)だ。その生産は「品質第一」(同社静岡製作所製造管理部長の小野田徹氏)。すなわち、不良ゼロの徹底追求が同製作所の最優先事項となっている。

 不良の発生を抑えるために、静岡製作所が力を入れている仕掛けの1つが自動化だ。人はミスをゼロにはできないが、故障しない限り機械はミスを犯さないからである。そのため、生産設備をできる限り自動化して省人化/無人化し、不良をゼロに近づけるというのが同製作所の基本的な考えだ。

図1 室外機の熱交換器
設計が確立されており、自動化された生産設備で造られる。(写真:日経 xTECH)
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 とはいえ、自動化した生産設備には、一旦造ると変更しにくいという弱点がある。三菱電機は毎年新たな設計を施した製品を造っているが、コストがかさむため、それに合わせて頻繁に生産設備を変更するわけにはいかない。そこで、静岡製作所は設計が確立された部品を造る生産設備を自動化し、そうではない部品の生産や製品の組み立て作業は作業者で行うというすみ分けを行っている。

 設計が確立された部品の代表が、室外機の熱交換器だ(図1)。静岡製作所にはその完全自動化ラインが設置されている。「室外機の熱交換器を完全に自動で造れる生産ラインを持つのは当社だけ」(三菱電機)。

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