ブロックチェーンにAI、エストニアの電子政府が使うデータ連携システム。日本瓦斯(ニチガス)は先端IT企業も顔負けの最新技術を駆使してデジタルトランスフォーメーション(DX)を進める。旗振り役の和田眞治社長は慣例にとらわれず変革に挑むエネルギー業界の風雲児だ。和田社長が明かすDXの真髄とは。

 みなさんはこの国の形は何となく必然的につくられてきたように思われているかもしれません。私は戦後の経済成長という歴史的に特異な時期に形成された、一時的なものだと思っています。それが今、機能しなくなっているのは、これもまた一時的な現象であって、世界環境の変化に対応が遅れているだけです。やはり先進的な人々が新たなテクノロジーでこれからの社会を切り開いていかなければならないと思っています。

日本瓦斯(ニチガス)の和田眞治社長
(写真:井上 裕康)
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 それでは今、どんなパラダイムシフトが起きて第4次産業革命といわれているのか。意外と論理と言語に分解して理解できている人たちが少ない気がします。ここではキーワードになる3つのこと、ビッグデータ、IoT(インターネット・オブ・シングズ)、AI(人工知能)というポイントに絞り、結果としてのDX、デジタルトランスフォーメーション、この必要性と必然性に触れたいと思います。DXの実装は働き方改革の流れを決定的に動かすということも、このパラダイムシフトの概念が理解できればナチュラルに理解できるのではないでしょうか。

 まずは今、起きているパラダイムシフトの動きについて、誤解を恐れずざっくりとした概念の変化で示しましょう。本来は両方のシステムが共存するのですが、あまりに世界からデジタル化が遅れているので、あえてビフォー・アフターと示しています。

現在起きているパラダイムシフト
(出所:日本瓦斯、以下同)
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 これまでの社会は物理空間の制約を受けて経済や時間軸の非対称性が利益につながり、国家や会社や権力に経済が引き寄せられた時代でした。国家や会社による中央管理で経済が成り立っていた時代です。

 これからは国家を必要としない社会システムが動き出す時代です。ブロックチェーンや仮想通貨はまさにその代表的な仕組みであります。IT自由主義とも言える仕組みでは、国家と国民の関係が個の価値と個人の関係に置き換わります。

 仮想空間ではこれまでの国の規制がシステム的な監視や暗号化で担保されます。ある意味、ガラス張りになるわけです。規制ではない社会の仕組みが動く時代になります。

 従来の社会は人間が汗をかいたり走り回ったりしていた時代。後者は電子を走らせる時代とも総括できます。電子はいくら走らせても疲れたとも休みたいとも言いません。賃上げ要求すらしない。かつ、走るたびにアップデートする。お金の通り道やデータの通り道、あるいは業務フローから摩擦をなくすのが、デジタルトランスフォーメーションの本質に近い気がします。現在の様々な摩擦が需要者にはコストとストレスとなり、事業者や運用者には利益だったわけです。