2階の1歳児保育室。右下に回廊スロープが見える(写真:淺川 敏)
[画像のクリックで拡大表示]

 東京・JR両国駅から徒歩10分、墨田みどり保育園の本園に隣接する、墨田区職員住宅の跡地に計画された分園である。2園は道で隔てられるため分園という扱いだが、本園と同規模の100人定員が求められた。しかし敷地は狭小であり、前面道路を挟んで南側にJR高架線が走り、背後には集合住宅が迫っている。こうした都市的環境の中でどのような保育園が可能かを模索した。

 セキュリティーとプライバシーを確保しつつ、伸び伸びと生活できる保育園が求められた。一方で、周辺にいかに開くか、地域につながることができるかも課題であった。機能的な要望としては、子育て相談室や本園に不足する職員用の更衣室、休憩室、談話室などの支援機能の充実などであった。

 そして最も大きな要望は、あまりにも保育園に特化したプランにすることで、将来の転用が難しくなることは避けてほしいというものだった。そこには創設から40年余り地道に幼児保育を続け、徐々に規模を拡大してきた園が、一気に倍の規模になることへの不安が見え隠れする。待機児童解消への急激な政策転換がもたらす保育施設の急増が、果たして将来の需要に見合うものなのか――。誰も答えられない問いである。

この先は有料会員の登録が必要です。有料会員(月額プラン)は初月無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら