2019年7月13日と14日に静岡県小山町の富士スピードウェイで開催された自動車レース全日本スーパーフォーミュラ選手権第4戦。場内ではNTTドコモの赤いロゴが目を引いた。NTTドコモがメインスポンサーを務める「DOCOMO TEAM DANDELION RACING(ドコモ チーム ダンデライアン レーシング、以下ドコモダンデライアン)」のクルマである。

スーパーフォーミュラに参戦するドコモダンデライアンの1号車。ドライバーは山本尚貴選手
(出所:NTTドコモ)
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 ドコモダンデライアンはベテランドライバー山本尚貴選手の1号車、若手の福住仁嶺選手の5号車の2台体制でスーパーフォーミュラに参戦する強豪チームだ。山本選手は2018年のシリーズチャンピオン。今回の第4戦は11位と振るわなかったが、これまでの獲得ポイントは1位で、2年連続シリーズチャンピオンを視野に入れている。

 NTTドコモは「エヌ・ティ・ティ移動通信網」という社名だった1993年から長年にわたってDANDELION RACINGのスポンサーを続けている。法人ビジネス本部コネクテッドカービジネス推進室の井ノ上晶浩戦略企画担当課長は「当初は資金的な協賛から始まったが、時速300キロメートルで走るという特殊な環境を技術実験に生かせないかという方向で関係が深まっていった」と話す。

 NTTドコモは、第1回で取り上げた日本タタ・コンサルタンシー・サービシズがスーパーフォーミュラの「TCSナカジマレーシング」のチーム運営を支援しているのとは関わり方が異なる。スーパーフォーミュラを実験場として活用し、自社の競争力向上につなげようとしている。

山本尚貴選手らが生体センサーを着用

 2019年シーズンのスーパーフォーミュラでNTTドコモが実施している実験は大きく分けて3つある。

 1つ目はレース中のドライバーから得られる生体データの分析だ。2017年から取り組んでいる。着るだけで心拍数や加速度、心電波形を計測できる東レの機能性素材「hitoe(ヒトエ)」を使う。一般に、緊張感が高まっている時には心拍数が上がるとされるなど、計測値から心理状態をある程度推測できる。

 山本選手と福住選手はレーシングスーツの内側にhitoeを着用してレースに臨んでいる。レース中はhitoeが計測したデータを専用のトランスミッターに集約。これをBluetoothでクルマに積載したスマートフォンに送り、さらに4G回線を通じてサーバーに送る。

レース前にファンサービスをする山本尚貴選手。レース時はレーシングスーツの内側にhitoeを着用する
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 当初は時速300キロメートルで走るクルマから正確に途切れないようデータを伝送するところから実験を始め、今では安定的にデータが取得できるようになっている。生体データを分析すると興味深いことが分かるという。

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