格子状に組まれた鉄筋の上を箱型のロボットが走行し、本体の両側から突き出た“はさみ”が1カ所当たり2.7秒で鉄筋の交差部をワイヤで結ぶ──。

 建設工事の省力化工法の開発コンサルティングなどを手掛けるEMO(エモ、香川県三木町)が、設備機器の製造を得意とするサンエス(広島県福山市)と共同で開発した鉄筋結束ロボット「トモロボ」だ(写真1)。

写真1■ ロボットは本体が左右に開き、100~300mm間の9種類の配筋ピッチに対応する。写真は最大となる300mmピッチを走行する様子(写真:EMO)
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 これまで作業員がこなしていた結束箇所の9割近くを肩代わりできる(図1)。ただし、結束の速度は、人が作業する場合に比べて遅い。

図1■ 結束箇所の9割を肩代わり
都島興業が手掛けた鉄筋工事を基に、EMOが試算したところ、ロボットの導入によって、人手による結束箇所数を9割近く削減できる。残り1割は、建物の柱周りなどの結束で、ロボット導入後も作業員が結束しなければならない(資料:EMO)
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 それでも、人は疲労で作業速度が落ちたり、休憩で作業を中断したりする。一方、ロボットは作業を一定の速度で長時間にわたって持続できる。1日(8時間)当たりの結束箇所数では、人が作業する場合よりも3割ほど多い。

 トモロボは、香川県三木町で鉄筋工事会社の都島興業を経営する真部達也社長が、2014年に設立したEMOが中心となって開発した。大手建設会社が開発した鉄筋結束ロボットと異なり、希望小売価格を明示。自動作業用ロボットとしては比較的低価格の約230万円に設定し、本格的な市場開拓を狙っている。

 地方の中小企業が挑むロボット開発。その原点は、鉄筋工事の職人だった真部社長の経験にあった。

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