政府が主導するテレワーク推進キャンペーン「テレワーク・デイズ2019」が2019年9月6日に終了する。2020年の東京オリンピック・パラリンピック大会本番前のテストという位置付けで、7週間という異例の長期間となった。8月28日時点でテレワーク・デイズへの参加組織は2154団体にのぼる。

 働き方改革の一環として、本格的にテレワーク制度を導入する企業も増えている。今後、テレワークで仕事をするビジネスパーソンはますます増えていきそうだ。ところが、テレワークをメインに仕事をするようになると、どういった働き方になるのかはよく知られていない。

 そんな中、働き方改革を進めるTISでテレワークを毎日実践してきたのが今貴子(こん・たかこ)テクノロジー&イノベーション本部Smart Society推進室主査だ。TISが日数の上限なく常にテレワークが可能な人事制度を正式導入したのは2019年4月。今氏は2018年10月の試験導入段階からほぼ毎日テレワークで働いている。以下では、そんな今氏の11カ月にわたるテレワークの経験を振り返り、そのメリットとデメリットを明らかにしよう。

 今氏は現在、スマートシティーの企画業務を担当。IoT(インターネット・オブ・シングス)やデータ流通技術を利用したITシステムの企画を立てて、地方自治体や公共団体に提案している。営業寄りの企画職といったイメージだ。私生活では3歳の子どもの母親として育児に従事している。具体的には今氏の1週間のスケジュールは次の通りだ。

リモートワークをメインに働く今貴子氏の1週間のイメージ
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 月曜日は午前中に在宅勤務をして、午後から部署の定例会議のためにオフィスへ出社する。その後、オフィスで来客対応や事務作業をこなして帰宅。火曜日は丸1日在宅勤務で、情報収集やオンラインでの社内メンバーとの打ち合わせ、企画の検討、提案書の作成といった仕事をする。

 水曜日は午前中に在宅勤務をした後、オフィスに出社して資料のプリントアウトをして顧客を訪問し、打ち合わせ後は直帰。木曜日は火曜日と同様、1日中在宅勤務をする。金曜日は午前中に顧客を訪問した後、オフィスへ立ち寄り、経費精算や資料のプリントアウトといった作業をしてから自宅に戻る。その後、在宅勤務で仕事をする。

自宅で仕事をしているTISの今貴子テクノロジー&イノベーション本部Smart Society推進室主査
(出所:TIS)
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 在宅勤務の時間がテレワークである。週ごとの違いはあるが、おおむねこうしたペースで仕事に従事している。月に1~2回は地方出張もある。子どもの面倒を見ながらの在宅勤務は認められていないため、家族と協力しながら毎日の朝夕に保育園への送り迎えがある。

在宅勤務ではSlackやZoomでコミュニケーション

 「在宅勤務を基本にしつつ、必要に応じてオフィスに出社している。客先の訪問や外部会合への出席といった外出は一般的なフルタイム勤務者と同じようにしている」(今氏)という働き方だ。これにより、補助的な仕事ではなく、企画立案や顧客への提案で業務の最前線を担えている。

 テレワーク成功のポイントの1つがシステム環境だ。在宅勤務ではTISのリモートデスクトップSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)「リモートワークス」を使う。会社と同様のデスクトップ環境を社外から利用するシステムで、これを使って自宅からイントラネット上の業務システムにアクセスする。

 チームメンバーとのコミュニケーションには、米スラック・テクノロジーズのチャットSaaS「Slack(スラック)」と、米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズのビデオ会議SaaS「Zoom(ズーム)」を利用する。部署の他のメンバーとはSlackを使ったチャットによるコミュニケーションを基本として、内容が込み入った打ち合わせや月1回の部会にはZoomを使ってビデオ会議をする。

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