日本航空(JAL)は政府が2019年7月22日から実施中の「テレワーク・デイズ」に合わせて同月23日、社長や執行役員など約20人が出席する役員会議をWeb会議として開催した。同社は全社員に、米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(Zoom Video Communications)のWeb会議システム「Zoom」のアカウントを配布している。現場の日常的な打ち合わせから役員会議まで多様なケースでWeb会議を繰り返してノウハウを蓄積し、社内にテレワークを浸透させて2020年の東京五輪・パラリンピックなどに備える。

2019年7月23日にJALが開催したIT戦略に関する役員会議「IT分科会」の様子。役員会議室は閑散としている
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 「これから第98回IT分科会を始めます。本日の議題は……」。JALグループのIT戦略を話し合うIT分科会。東京・天王洲の本社にある役員会議室では、普段なら赤坂祐二社長など関連役員約20人が顔を合わせるが、この日はIT部門のトップである岡敏樹執行役員とWeb会議をサポートするIT部門の社員数人のみで閑散としている。

役員会議室ではなくZoomの画面上に集まったJALの役員たち
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 同じころ、デジタルイノベーションを担当する西畑智博常務執行役員は自席から手慣れた様子でiPadを操作しIT分科会に参加していた。他の参加者も本社内の自席や出張先の沖縄などからiPadを使いLTE回線経由で接続しIT分科会に臨んでいる。

 会議資料はペーパーレス化した。Zoomの画面共有機能で示したり、各参加者の業務用パソコンで参照したりする。

自席からIT分科会に参加するJALの西畑智博常務執行役員。ハウリング防止のためイヤホンマイクを使用している
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 JALがIT分科会を遠隔会議で開催するのは今回が3回目。1回目は2017年のことだ。当時はビデオ会議システムをレンタルして各拠点に専用機器を設置し、それを通じて各参加者が話す形態だった。

 その際にはコストが問題になった。「ビデオ会議システムを各拠点に常設すると高コストになる」(岡執行役員)という問題があり本格導入に至らなかった。

 2回目となる2018年の開催時は、当時JALグループの一部で試験導入していたZoomを使用した。その後同年10月にZoomを全社規模で本格導入。主に現場での打ち合わせなどに活用している。

役員には1人1台セルラー版iPadが配布されており、場所を問わずZoomの遠隔会議に参加できる
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 評判はおおむね良いという。「他のテレビ会議ソフトだと遅延が気になる場合もあるが、Zoomはほとんど遅延がない。Zoomのセキュリティーを導入前に半年ほどかけて調べたが特に問題ないと判断しており、役員会議なども特にアドオンなどを使わずZoomの標準機能のまま使用している」(岡執行役員)。

 今回のIT分科会では、前回に表面化した「(パソコンのマイク性能に限界があり)別の参加者の声が聞こえにくい」という問題と、現場から挙がった「ハウリングが起きることがある」という問題を解決するために、iPadとイヤホンマイクを使った。

 別の参加者の声が聞こえにくいという問題は解決できたが、途中でハウリングが発生する場面があった。各参加者が遠隔地にいるため、担当者が発生源の特定に苦慮する場面もみられた。「使い勝手については引き続き改善を図っていく」(同)としている。

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