成長の道を駆け上がるインドの可能性に正面から向き合い、2016年、金融都市として経済をけん引するムンバイの南部に設計事務所を構えた。東京の事務所と、2拠点を行き来する活動を模索してきた。

 明治大学在学中、建築家の連健夫氏(当時・同大兼任講師)がムンバイで実施した「建築都市ワークショップ」に参加したのが、後藤克史氏の渡印のきっかけだ。ここでムンバイ出身の建築家、カラン・グローバー氏と出会い、2003年からムンバイの北側にあるヴァドーダラーの同氏の事務所で働き始めた。

 その後、英国AAスクール大学院に進み、13年に修了。以降、日本の建築設計事務所「アパートメント」に所属しながら、東京とムンバイの両拠点での活動を開始し、16年にムンバイにSquareworks(スクエアワークス)を設立した。

文化の発信地を拠点に
事務所に関わる建築家、アーティストなどのフェローシップと共に。右端が後藤克史氏。1979年生まれ。2016年にムンバイに事務所を設立。また同年より、アーメダバードのCEPT大学客員准教授を務める。歴史的な建造物が多く、現代アートを扱うギャラリーが集まるムンバイ南部のコラバ地域を拠点に選んでいる (写真:Squareworks)
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 現在、仕事の依頼は、個人、法人、NGOそれぞれから受けている〔写真12〕。「延べ面積1000m2を超える住宅プロジェクトも多く、市場のポテンシャルの大きさを感じる」(後藤氏)

Amaltaas, Vadodara, India

〔写真1〕確実に伸びる住宅マーケット
約7000m2の敷地に立つ個人住宅のプロジェクト(概要は下)。インド国内では人口増と共に中間所得層が厚くなりつつある段階のため、住宅をはじめ建設・不動産市場は当面拡大を続けると見られる(写真:Fabien Charuau)
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〔写真2〕暑さの厳しい土地で光と風に満ちた家に
郊外の個人住宅。レンガによる組積造と鉄筋コンクリート造の混構造。組積造部分を蓄熱と遮熱機能に活用する。こうした個人住宅以外に、現地資本と手を組めばPPP(公民連携)による低所得者向けの住宅プロジェクトに参画できる可能性もある。ただし、「政府系のプロジェクトは現状デザインビルド方式になるため、明確な設計料の確保が難しくなる」と見ている(写真:Fabien Charuau)
  • 所在地:Vadodara, Gujarat, India
  • 設計:Squareworks+アパートメント
  • 延べ面積:845m2
  • 完成時期:2019年3月

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