みずほフィナンシャルグループ(FG)の20年にわたるシステム統合・刷新の歴史において、一度目の試練となったのが2002年4月1日のみずほ銀行(旧)の発足初日から発生した大規模なシステム障害だった。なぜ障害が発生し、それにみずほFGはどう対応したのか。「日経コンピュータ」の記事から振り返ろう。

「過去に例がない」大トラブル発生

 第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行の3行が合併し、みずほ銀行(旧)とみずほコーポレート銀行(旧)が発足した2002年4月1日。みずほ銀行の勘定系システムはその日から「ATM(現金自動預け払い機)が使えなくなる」「口座振替の遅れが250万件も発生する」「遅れるだけでなく二重引き落としが3万件も発生する」など、日経コンピュータも「過去に例がない」と表現するほどの大規模障害を引き起こした。

 日経コンピュータ2002年4月22日号の記事「みずほ銀、混迷の2週間を追う」では、どのようなトラブルが発生したのかを詳しく伝えた。

みずほ銀行で2002年4月に発生したシステム障害の概要
出典:日経コンピュータ2002年4月22日号の記事「みずほ銀、混迷の2週間を追う」
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 同記事はタイトルにあるようにシステム障害から2週間がたった時点で執筆されたものだったが、その時点でもなお40万件もの口座振替が未処理になっていただけでなく、トラブルの原因すら究明されていなかった。

 当時の持ち株会社、みずほホールディングスの前田晃伸社長は2002年4月9日の衆議院財政金融委員会で、旧富士銀と旧第一勧銀の勘定系システムを結ぶ「リレー・コンピュータ(RC)」に不具合があり、「大量の処理がRCに流れ込んだ結果、不具合が顕在化した」(前田社長)と説明していた。

 しかし本当の原因はリレー・コンピュータの不具合ではなかった。日経コンピュータ2002年5月6日号記事「みずほ銀行のシステム障害、真相が判明」が、その詳細をスクープした。

 ATM(現金自動預け払い機)が正常に稼働しなくなった原因は、旧第一勧業銀行の対外接続系システム(富士通のメインフレームを利用)の修正ミス。これまで報道されてきた、「リレー・コンピュータ(RC)」(富士通のUNIX サーバーを利用)の不具合ではなかった。

 口座振替のトラブルの原因は、口座振替処理(センターカット)のために新規導入したプログラム(日立製作所のメインフレーム上で稼働)の開発に失敗したことだ。対外接続系とセンターカット用プログラムの修正・開発作業は、第一勧銀情報システム(DKIS)が中心になり、ソフト会社の協力を得て進めたものである。

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