みずほフィナンシャルグループ(FG)がついに、勘定系システムの全面刷新を完了させた。前身である第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行の3行が合併を発表したのは、今からちょうど20年前の1999年8月20日のこと。実は新しい勘定系システムの開発は1999年の時点で既に計画されていた。つまり同社は20年来の宿願をようやくかなえたことになる。

 この20年の間、みずほFGは常にシステム統合とシステム刷新に頭を悩まし、2002年と2011年に2度の大きなシステム障害を引き起こした。その歩みを常に追ってきたのが「日経コンピュータ」だ。みずほ銀行システム統合・刷新20年の格闘を同誌の記事を元に解き明かそう。第1回は3行合併を発表した1999年8月から、当初のシステム統合の方針を大きく撤回するに至った2001年までを振り返る。

3行合併の目的は「戦略IT投資の強化」だったが…

 第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行の3行は合併発表に際して、その目的が「戦略IT投資の強化」にあるとしていた。日経コンピュータ1999年8月30日号の記事「『戦略IT投資で米銀に対抗』、全面統合する3行の頭取が宣言」は、「統合後は、主要な米国銀行に並ぶ『毎年1500億円程度』のIT投資を敢行する」と伝えていた。

 戦略IT投資の「原資」はどう確保するのか。日経コンピュータの同記事は次のように報じていた。

 99年度の計画によれば、第一勧銀が550億円、富士銀が600億円(安田信託銀行分も含む)、興銀が236億円のシステム投資を見込んでいる(行内の情報システム部員の人件費は含まず)。ざっと合計すれば1400億円。今後は各行の既存システムを統合して節約した分を、戦略的なIT投資に回していく。こうして金額だけでなく質的にも米銀並みのIT投資を維持する考えだ。「新しい金融商品やサービスを支えるシステムや、マーケティングに使えるデータベース・システムに積極投資していく」(山本頭取)。

 しかし日経コンピュータは続けて「統合は簡単ではない」と指摘していた。開発メーカーの異なる3行の既存システムを統合するのは技術的に難しく、膨大なコストがかかると予想されたためだ。読者もご存じの通り、日経コンピュータの懸念は現実のものとなる。

 みずほFGシステム統合の最初の焦点は、新銀行のシステムにどこのメーカーが開発したシステムを採用するかだった。

日経コンピュータ 2000年1月17日号が伝えた「3行と大手メーカーとの関係」
第一勧業銀行富士銀行日本興業銀行
勘定系富士通IBM日立
営業店系富士通沖電気工業/日立日立
情報系日立製作所/富士通IBM/日立IBM
証券系富士通/IBM日立日立/IBM
国際系IBMIBM日立

第一勧業銀行の「STEPS」への片寄せが決まる

 その結果は1999年12月22日、3行が新しいグループ名として「みずほフィナンシャルグループ」を発表した際に同時に明かされた。日経コンピュータ2000年1月17日号「都銀の既存システム統合が始まる、2年で完了後、新システムを検討」が詳しく伝えている。

 最も規模が大きい勘定系システムについては、個人・中小企業向けのリテール分野は第一勧銀の「STEPS」(開発は富士通)を、大企業向けのホールセール分野は興銀の「C-base」(開発は日立製作所)にそれぞれ集約(片寄せ)し、富士銀行の「TOP」(開発は日本IBM)は廃棄する。システム統合はリテール分野の「みずほ銀行(旧)」とホールセール分野の「みずほコーポレート銀行(旧)」が発足する2002年4月までに済ませる計画だった。

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