名古屋市の橋梁工事の入札で、市が予定価格を誤って約4900万円高く設定し、本来より高値で契約を結んでいたことが分かった。最低制限価格も上がったため、最安値で応札した会社は失格になった。2020年度に予定する開通に間に合わせるために契約は解除せず、減額を求めて受注者と協議する。市が19年7月10日に明らかにした。

積算ミスが発覚した正江(しょうこう)橋の平面図と断面図。緑色で示した検査路の製作費を誤った(資料:名古屋市)
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 ミスがあったのは、名古屋市中川区の新川に架ける正江(しょうこう)橋の上部工事。長さ122.5mの3径間連続鋼鈑桁橋の桁などを製作する契約だ。桁間に取り付ける検査路の製作費の算出で、1t当たりの製作に要する作業員の数を入力すべき箇所に、検査路の総重量9.9tの製作にかかる人数を入れてしまった。人数に単価をかけて求める製作費が、約10倍に膨れ上がった。

 名古屋市は誤った積算を基に予定価格を3億996万円(税抜き、以下同じ)と設定し、一般競争入札で公告した。市は入札公告時に予定価格を公表するので、応札者は最低制限価格を容易に算出できる。応札した10社のうち6社が最低制限価格と同額の2億7897万円を提示し、くじ引きで宇野重工(三重県松阪市)が落札者に決まった。最安値で応札した横河ブリッジを含む3社は、最低制限価格を下回ったために失格となった。市は19年3月に宇野重工と契約を結んだ。

 入札後、ある応札者が情報公開条例に基づき、積算価格が記載された設計書の開示を市に請求。これを受けて市が金額を確認し、ミスを見つけた。事前公表の予定価格は本来の価格より2割ほど高かったが、入札前に疑問を呈した応札者はいなかった。

10社が入札に参加し、3社が最低制限価格を下回った。予定価格は事前公表のため、最低制限価格を狙った応札者が続出したとみられる。価格は全て税抜き。名古屋市の資料を基に日経コンストラクションが作成
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