技術力の低い、または当事者意識が欠如した発注者に当たってしまったせいで、受注者が大損をくらったという話は絶えない。受注者側の証言を基に、発注者としての資質を疑う理不尽な対応を受けた事例を紹介する。日経コンストラクション2014年7月28日号の特集記事を再構成してお届けする。



 設計に不具合があり、現場に入ってから思ったように工事が進まないケースは珍しくない。東日本大震災で被災したある自治体の護岸復旧工事もそうだった。

 土のうを積み上げて海水を止め、護岸を新しく構築する工事で、地元の建設会社であるA社が約1億円で受注した。A社が着工して、現地と設計の不一致を初めに感じたのが、土のうを積み上げる時だった。

 土のうを積む地盤の条件が当初の条件と異なっていた。当初条件の砂層ではなく、かきがらや泥の層だったため、土のうが沈下。海水が施工現場に浸入するため、土のうを当初の3段から、4段または5段に積み上げざるを得なくなった。

ある被災自治体の災害復旧工事でのトラブル。取材を基に日経コンストラクションが作成
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 現場監督は、発注者支援業務として建設コンサルタント会社が代行している現場技術員だった。現場での立ち会いでは、事の重大さを理解して「かかった費用は後で見るから」と口約束をしてくれた。

 しかし、現場技術員が理解を示していても、契約変更の権限を持つのは自治体職員だ。A社は協議書を交わしてやり取りしたものの、最終的に、自治体は土のうの増額変更を全く認めなかった。

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