消費増税に伴い、政府によるキャッシュレス決済時のポイント還元制度が始まった。私の家の近所でよく利用する食料品店でもポイント還元の恩恵を受けられるようになった。ただ増税直前に店舗を訪れた際、年配の店主は「決済サービスの種類が多くてもう何が何だか分からない」と話していた。

 店主が混乱するも無理はない。クレジットカードや電子マネー/プリペイド、デビットカードなど従来から多様なサービスが存在し、新たにQRコード決済が加わった。そのQRコード決済を一つとっても、ポイント還元制度に参加するブランドサービスは、地域限定も含めると20を超える。

 政府が消費増税に合わせてポイント還元制度を導入したのは、増税後の景気下支えのためだけでなく、キャッシュレス決済の普及を促すためでもある。日本でのキャッシュレス決済の比率は、キャッシュレス推進協議会(会長:鵜浦博夫NTT相談役)によると2017年で21.3%にすぎない。政府は2025年までにキャッシュレス決済比率を40%に高める目標を設定しており、将来は世界最高水準の80%を目指すとしている。

 ポイント還元制度はポイントつまりお金の提供によって消費者にキャッシュレス決済の利用を促すという、目標達成に向けた強力な施策といえる。小規模な店舗も含め利用できる環境が広がり、最大5%のポイントがつく。それぞれの事業者が自社サービスの利用促進を狙い独自のポイント還元を打ち出しているのも追い風となり、キャッシュレス決済の利用者と利用頻度は増えるだろう。

プラットフォーマーが必要に

 だがキャッシュレス決済サービスの事業者があまりに多すぎる。消費者は多数のサービスを使い分けないと、キャッシュレス決済を利用できる店舗が限られてしまう。店舗も数多くのサービス事業者と契約しておかないと、特定のサービスを利用する消費者の要望に全て対応することはできない。サービスが乱立したままでは消費者や店舗にとって使い勝手の悪い状態が続く。

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