「欧米に比べ(日本市場は)クラウドに向かっていない」。サーバーOSでシェアの高いWindowsの移行を巡って日本マイクロソフト業務執行役員の浅野智クラウドビジネス本部長は業界関係者にこう本音を漏らしたという。

 本音を裏付けるデータが存在する。2020年1月14日にサポートが切れるWindows Server 2008の使用企業を対象に同社が移行先を調べたところ、移行先がクラウドだった割合は2018年3月には7.3%に過ぎず、2019年3月も26.9%とまだ3割に満たなかった。

 8月5日にIDC Japanが発表した4月現在のWindows Server 2008移行状況によれば、回答企業445社の中で「移行済み」あるいは「移行中」と答えた351社のうち、引き続きサーバーを自社保有するオンプレミスへの移行が95.5%、パブリッククラウドへの移行が49.0%となった(複数回答)。「思いのほかパブリッククラウドへの移行が多い」とIDC Japanの入谷光浩ソフトウエア&セキュリティリサーチマネジャーは見るが、件数ではオンプレミスへの移行が大勢を占める。

日本はクラウドセカンド

 「日本はクラウドファーストならぬクラウドセカンド」。「クラウド図鑑」と呼ぶサイトを手掛けるクラウディットの中井雅也代表はこう皮肉る。中井氏は日本IBMやサン・マイクロシステムズ(米オラクルが買収)、レッドハット(米IBMが買収)の日本法人でマーケティング担当を歴任してきた。

 クラウドファーストになりきれない日本固有の阻害要因として中井氏は「サーバーとOSのバンドル販売」を挙げる。IDCの入谷氏も同意した。

 日本では国産・外資を問わずメーカーはOSをマイクロソフトやレッドハットから仕切り価格で仕入れて自社製サーバーにバンドルし、自社製ミドルウエアを添えて顧客に直接あるいはパートナー経由で販売する。さらにハードとソフトの両方についてメーカーやパートナーが保守まで請け負う。

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