1970年代生まれの建築家で、最も注目したい1人が石上純也氏だ。2018年に栃木県那須町に完成した「ボタニカルガーデン アートビオトープ『水庭』」は、ランドスケープながら「建築として捉えられる」と石上氏は言う。石上氏にとって「建築」とは何か。そこから聞いた。

石上純也建築設計事務所主宰で、建築家の石上純也氏(写真:山田 愼二)
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石上さんのデザインに関して、特に、独立して初期の「テーブル」(2005年)や「四角いふうせん」(2008年)などは、アートとして捉えられることも多かったです。最近はランドスケープにも取り組まれています。石上さんにとっての「建築」とは何ですか。

 それは僕の中で永久のテーマです(笑)。建築の分野と、家具やランドスケープなどの分野とをつなげることを強調したいわけではなく、与えられた状況の中でその都度、建築家として建築とは何かということを考えて活動しているだけです。

 メディアは何だか分からないものを「アート」という言葉で表現してしまう傾向があります。その文脈でアートという言葉を使うのはあまり好きではありません。ただ、当然、建築も大きな意味では芸術の1つだという認識でやっていますから、アートそのものを否定するわけでもありません。

キリンアートプロジェクト2005「テーブル」。厚さ3mm、約2.5m×10mのアルミの天板が宙に浮かぶような「テーブル」。素材の自重によるたわみをあらかじめ計算し、設置したときに重力で水平面になるように構造計算されている(写真:石上純也建築設計事務所)
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 建築にはいろいろなアプローチがあるので、どんな方法でも、建築の可能性を突き詰めていけると僕は信じています。むしろその多様性と範囲の広さが建築の本質だと思っています。

 2018年のパリ・カルティエ現代美術財団の展覧会では恐らく、インスタレーションのようなものを期待されていたと思います。もちろん、「四角いふうせん」や「テーブル」など、昔はインスタレーションによって建築の可能性を突き詰めることをやっていた時期もありました。その可能性は今でもあると思っています。

パリ・カルティエ現代美術財団で2018年に開催された個展「石上純也―FREEING ARCHITECTURE」の会場風景(写真:(c)junya.ishigami+associates-Fondation Cartier exhibition)
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